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途端にさとみは私の腰をグッと引き寄せた。
空いた手で素早くメイド服のボタンを数個外し、襟を思い切りずらす。
あっという間に外気に晒された肩口に私は身震いした。
何・・・虫除けって、え・・・?
さとみの髪が首を撫でて肩が揺れる。
「ッひ・・・・・・?」
キスともまた違う感覚が首筋をチクッと刺す。
一瞬で離れていったさとみは私のことを見下ろして、先程まで自分が顔を埋めていた首筋をそっと撫でた。
「ん、うまくついてる」
「へ?なに?虫除けは?え?」
混乱する私には構わず、さとみは私の服を正していく。
何がしたかったんだろう?
疑問に思いながらも「早く戻るぞ」と声をかけられて、仕事を放っぽり出して来たことを思い出す。
私は慌ててさとみの背を追いかけるように教室に戻った。
「お待たせ致しました。ヴァンパイアの厳選した美女の血で彩られたいちごパフェです」
相変わらず長いメニュー名を噛むことなく言い切る。
するとお客さん側も決まったような言葉を口にした。
「メイドさん、「もえもえきゅん♡」ってしてよ」
私は瞬きを一つして笑顔を浮かべた。
「申し訳ありません。ただいま、そちらのサービスは売り切れております」
「へ?」
サービスなのに売り切れなんて・・・お客さんもキョトンと瞬きをした。
その反応に私はさらに目を細める。
「次回までにご提供できるよう頑張りますので、また来てくださいね」
「は、はい!!」
お客さんは頷いてパフェスプーンを握った。
「もえもえきゅん」をかわすため、さとみが教えてくれた方法は効果抜群だった。
私のシフトはこれきりで次回はない。今すぐ料理を食べて並びなおしたとしても私のシフトの時間までには間に合わないだろう。
私は次の注文をとって厨房に向かった。
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まるたちばな(プロフ) - アカリさん» バレバレですね笑 (2021年6月10日 1時) (レス) id: de1186ee03 (このIDを非表示/違反報告)
まるたちばな(プロフ) - ふさん» 頭はいいので、わざと外してます笑 (2021年6月10日 1時) (レス) id: de1186ee03 (このIDを非表示/違反報告)
アカリ - あ、さとみくん絶対狙ってやってるな…? (2021年6月9日 16時) (レス) id: a59834cb62 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - さとみくん逆に低いとこいくなんてすげぇww (2021年6月8日 23時) (レス) id: 31f90d92ba (このIDを非表示/違反報告)
まるたちばな(プロフ) - さのさん» チリソースと悩みました笑 (2021年6月7日 0時) (レス) id: de1186ee03 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まるたちばな | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/novel/marutatiba1/
作成日時:2021年5月29日 7時