検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:24,101 hit

ページ6

.


「…っ!」



彼の胸の中に引き寄せられ、耳元で小さく囁かれる。


後輩なのに、外なのに、
私の心拍数は容赦なく上がっていく。

ああ、あんなに可愛かった牛島若利は、こんなに立派な男として育ってしまったのか。




「困るのはわかっている。しかし、言わなければ悔やんでしまうと思った」


ううん、ちがう。


ちがうの、若利。



「…っ、わ、わかとしぃ……っ」



私は、先輩失格だ。

ごめんね、若利。



「――…う…っ…やっと、やっと言ってくれたぁ……っ」
「…?」


「う、っ、ひっ、っぅく…」
「……待て。意味がわからない」




「婚約したって、嘘だよぉ…!!真に受けんな馬鹿ぁ…!!」

「……!」



私が若利を抱き締めてわんわん泣いていると、向こうから覚達がやってきた。
表情を見ると、苦笑していたりニヤニヤしていたり。



「やーっぱり、指輪も婚約の話も嘘だったのォー?」
「ごめんなさいぃ……ってかまず私に良い相手なんかいるわけないじゃん”ん…!!」



若利が固まっているから、深呼吸をさせて説明をする。
私は泣いてまともに話せないため、意味を理解しているらしい覚に任せることにした。



「えっとねェ、若利くん?先輩は若利くんの先輩への想い、気付いてたんだよ」
「…それは、本当か」
「いやだって、若利くん行動とかもろ好きですオーラ出してたじゃん?わかりにくいけど」
「……あぁ、そうか」


「で、あと、先輩も―――」
「わぁああッ!!それは自分で言うから!!」



色々言いそうになる覚の声を遮り、慌てて若利の前に立ち目を合わせる。



「あ、あー…その、あの、牛島若利さん」
「…ん」
「婚約したって嘘吐いてまで、若利の口から「好き」って言ってもらいたかったのは」



「私が、…私も。若利のことニ年前からずっと好きだったからです」



.

7→←5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.6/10 (133 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

バレー12 - こんなストーリー憧れますよね。いいなぁ〜 これを書いていただきありがとうございます。 (2019年6月18日 22時) (レス) id: f0ddf32848 (このIDを非表示/違反報告)
明花(プロフ) - そらりるさん» 有難いお言葉…!そのようなことを言ってくださいそらりる様が私はいっぱいちゅきです…(ノる) イケメンな若様が書けていたのなら幸いであります。こちらこそ目を通していただいたうえにお褒めのお言葉まで、本当にありがとうございます!! (2018年8月14日 12時) (レス) id: 4be523f4d8 (このIDを非表示/違反報告)
明花(プロフ) - おと〜ふ。さん» ありがとうございます!牛島さんは初挑戦で不安しかなかったのですが、そう言っていただけて安心しました。次もそう言っていただけるような作品が創れるよう精進いたします!本当にありがとうございます!! (2018年8月14日 12時) (レス) id: 4be523f4d8 (このIDを非表示/違反報告)
そらりる(プロフ) - あっ、、、いっぱいちゅき((ハート← 牛若イケメンすぎですぅぅぅぅぅぅ!!素敵な作品ありがとうございます!! (2018年8月13日 22時) (レス) id: 2790e098bb (このIDを非表示/違反報告)
おと〜ふ。(プロフ) - 告白のところで発狂しちゃいました...!もう牛若のかっこよさが最高でした!!めちゃくちゃ面白かったです(*´ш`*) (2018年8月13日 21時) (レス) id: f4bc1fabd3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:めーか | 作成日時:2018年8月13日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。