【HQ!!】恋人とはなんですか【赤葦京治】

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世の恋人達は全員が全員、相思相愛とは限らない。


「かっこいいから」「可愛いから」「ちょうど恋人がいなかったから」
そんなちょっとした理由で付き合う人もいると思う。


＿でも、それってさ、

【恋人】とは言わないんじゃないの？


好き同士が恋人なんだから、片いっぽが恋愛的な意味で好きってだけなら、それはもう恋人じゃない。

【恋人】って偽の関係で繋がれただけの、ただの儚い片想いだよ。


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「―――…って、私は思うんだけど。あかーしはどう思う？」
「先輩の頭の割には難しいこと言いますね」
「待ってそれどういう意味」


隣に座っている赤葦は手を顎に添え考える素振りを見せる。

今は休憩中と言っても、先程まで木兎のスパイク練に付き合っていたせいか赤葦の首筋に汗が流れる。
その姿がホントに私の後輩なのかと思うほど、色っぽい。


「…たとえば、俺と先輩が恋人同士としましょう」
「ぶほッ！！は、はあ！？」
「たとえばですって」


危ない。飲んでいたお茶を吹き出すところだった。いやちょっと吹き出したけどギリセーフでしょ。

口元を袖でぐいっと雑に拭いてから赤葦の次の言葉を待つ。



「…そして俺が先輩のこと、好きだとします」
「ほう」
「……ないと思いますけど」
「それ言う必要ある！！？」



ゲーン！とツッコミを入れれば「冗談です」と微笑むのは赤葦の悪いところ。
こりゃモテるわけだ。ときめいて心臓ギュンギュンいってるよ先輩。うん。ギュンギュン。



「でも先輩は、俺と恋人だけど俺じゃなくて…えー、木兎さんのことが好きだとします」
「あ、ハイ」
「先輩の理論だと、この時点で俺達は偽の恋人でただの俺の片想いってことですよね」
「その通りー」

「……偽の恋人、俺の片想い。…ですか」
「………」


恋人。
どちらかが好きでなくなってしまうと、本物から偽物へと変わっていくもの。
いや、もう偽物になった時点で、その時点で、



「…恋人っていう関係は、終わってしまうのよ」



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