10 ページ10
濱田side
小「ちょっとずつ喋れるようになるとええっすね」
「せやな〜こんな可愛いのに喋りだしたらもっと可愛ええよな」
泣き疲れたAちゃんを抱っこしてまた部屋に戻る。
まぁ検査結果としては中度の難聴、多少は聞こえてるし先天性のものでは無いから過去の中耳炎とか…叩かれた時の衝撃とか。
小「早く帰れるんが幸せなんかなぁ…」
「んー、そんなこともないよな。Aちゃんが幸せになるためには今返す訳にはいかんし」
そう、Aちゃんはまだこの時、後天性難聴と喘息しか病気はなかってん。
Aちゃんの怪我が治り、乳児院に行って。
ほんで、最悪の再会をすることになったんが、
忘れもしない、Aちゃんが2歳になってすぐの12月。
俺たちの元から笑顔で去っていった僅か、
━━━━━━━━━5ヶ月のことやった。
、
重岡side
━━━━━━━ 約2年前の12月。
「さっぶ、」
12月にしては珍しく雪がチラついてて、病院の駐車場から中に入るまでにかなり手足が冷えてもぉた。
今日は夜勤の日。
病棟にパスを見せて、小児科へ向かう途中のことやった。
大倉「重岡!」
「っはい!?お疲れさ「Aちゃん、覚えてるか、〇〇Aちゃん」
まだナース服すら着ていない俺に、後ろから大きな、切羽詰まった声を掛けてきた大倉先輩。
先輩は俺の両肩を掴んで、信じられないようなことを言ってきた。
大倉「Aちゃん、さっき心停止で運ばれてきた。小児科の先生達に連絡入れたけどお前が1番動ける、言ってる意味分かるな?」
真っ直ぐ俺から目を逸らさない大倉先輩の言葉に
「今すぐ行きます。」
俺は考えることなく大倉先輩の指示に従った。
後ろから「救急来てな!転ぶなよ!」と声がしたが、その返事は心の中だけで返す。
“Aちゃん” “心停止” “お前が1番動ける”
反射的に動ける俺にはその言葉だけで十分やった。
“重岡の武器ってなんや思う?”
“…笑顔っすかね”
“アホか(笑)笑顔は2番目やな、お前はこの中で誰よりも感情に左右されずに動ける。救急も向いてる思うけどな”
研修の頃言われた言葉をフラッシュバックさせながら、
俺は迷うことなく動いた。
718人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
maru_(プロフ) - neさん» リクエストありがとうございます!!次のお話で書かせて頂きますのでお待ちいただけると幸いです!!! (2023年4月7日 23時) (レス) id: 8a37c499f2 (このIDを非表示/違反報告)
ne - いつもお話楽しく見てます!リクエストで主人公が便秘になってしまい浣腸されるお話がみたいです。聴診の診察から嫌がる形でお願いします。先生は淳太くんでお願い致します。これからもお話楽しみにしてます! (2023年4月7日 15時) (レス) id: 438460ae6c (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - 実玖さん» 実玖さんありがとうございます!!そう言って頂けると本当に嬉しいです;;更新頑張るのでお暇な時にでも読んでください!! (2023年3月14日 21時) (レス) id: 8a37c499f2 (このIDを非表示/違反報告)
実玖(プロフ) - maru_さんの書くお話大好きなので、新作嬉しいです!更新楽しみにしてます♡ (2023年3月13日 17時) (レス) id: cf7a1990a1 (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - なぎちょんさん» なぎちょんさんありがとうございますт · тそう言っていただけると本当にやり甲斐に繋がります、頑張るのでこれからも読んでいただけると幸いです! (2023年3月9日 20時) (レス) id: 8a37c499f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:maru_ | 作成日時:2023年3月9日 17時