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桐山side
「わぁ俺こんな時になんも持ってへんなぁ」
大倉先輩がとりあえずこっちの荷物は後で運ぶから小児科の方で個室確保して欲しいとオーダーされ、俺は淳太くんに事情を話してそのままAちゃんを連れていくことにした。
後で流星が来てくれるらしいけどあんまり人が出入りしはったら緊張するかもしれへんから、様子みて声掛けてとは伝えたけどな。
…流星が様子みて入ってくるか悩むとこやけど。
で、俺はAちゃんとの仲を深めようとしとる最中。
「んん〜触られることに怖さはないんやな?」
A「んん〜」
「真似っ子?ホンマに可愛ええなぁ」
ミラーリングで俺が首傾げたらAちゃんも首傾げた。
ホンマに可愛ええ。
なんで、なんで、こんなに可愛ええのに。
ガラガラ
藤「あ、おつ…」
「ん全然ノックもせんかったな流星(笑)」
流星はのんびりしとるし何かあっても割と落ち着いて対処できるタイプやから適任かなと思って呼んだんやけど、やっぱりAちゃんのお顔を見るなり固まった。
藤「痛そうっすね」
「なぁ。ホンマにひどいよな。」
藤「…でもめっちゃお人形さんみたいなお顔しとるな、可愛ええ。」
「ホンマに可愛ええよなぁこれは俺らのマドンナになるで?」
藤「マドンナって古ないすか?(笑)」
そこ!?
A「あぅ、」
「お?」
右手は俺と繋いでるからか、左手を恐る恐る視線の先、流星に伸ばした。
それに気づいた流星は、そっと屈んで目線の高さを合わせると
藤「見てこれ、くまさん」
A「くぁ、った!」
藤「お喋り上手やなぁ、くまさんどーぞ」
「それどこのくまさん?(笑)」
白くて丁度いいサイズのクマのぬいぐるみ。
めちゃくちゃ新品に見えるけど誰の?
藤「今度のお楽しみ会の景品っす、まぁええかなって」
まぁええと言う流星のその一言に、それだけでは無い思いやりが含んでいることを俺は知っとる。
そういえば、このクマを流星が選んだ景品ということも、本当は使い道が決まってたことも思い出したけど、でもAちゃんに最初に渡そうと思って持ってきた彼はやっぱり優しくて温かい。
そんな思いが伝わったのか、Aちゃんはくまを受け取ると初めて、きゃっと笑った。
「っ可愛えぇ」
藤「めっちゃ可愛いっすね(笑)」
2人で笑ってしまうくらいその光景が可愛くて、
この子の成長が楽しみに思えた。
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maru_(プロフ) - neさん» リクエストありがとうございます!!次のお話で書かせて頂きますのでお待ちいただけると幸いです!!! (2023年4月7日 23時) (レス) id: 8a37c499f2 (このIDを非表示/違反報告)
ne - いつもお話楽しく見てます!リクエストで主人公が便秘になってしまい浣腸されるお話がみたいです。聴診の診察から嫌がる形でお願いします。先生は淳太くんでお願い致します。これからもお話楽しみにしてます! (2023年4月7日 15時) (レス) id: 438460ae6c (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - 実玖さん» 実玖さんありがとうございます!!そう言って頂けると本当に嬉しいです;;更新頑張るのでお暇な時にでも読んでください!! (2023年3月14日 21時) (レス) id: 8a37c499f2 (このIDを非表示/違反報告)
実玖(プロフ) - maru_さんの書くお話大好きなので、新作嬉しいです!更新楽しみにしてます♡ (2023年3月13日 17時) (レス) id: cf7a1990a1 (このIDを非表示/違反報告)
maru_(プロフ) - なぎちょんさん» なぎちょんさんありがとうございますт · тそう言っていただけると本当にやり甲斐に繋がります、頑張るのでこれからも読んでいただけると幸いです! (2023年3月9日 20時) (レス) id: 8a37c499f2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:maru_ | 作成日時:2023年3月9日 17時