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Aの頭に帽子が乗っかる。
【君は、】
その瞬間、組み分け帽子は何かを思い出したかのように言葉が途切れた。
『君は?』
何も言い出そうとしない組み分け帽子に不安が募る。
先程組み分け帽子が出した声は悲しみに溢れていたからだ。
【すまない。少々昔を思い出してしまったみたいだ】
先程とは打って変わって明るくなる。
さっきのはなんだったんだ。
【君は、男の子なのだね】
確認するように、Aに話しかける。
『そうだよ。みんなよく間違えるんだ。女の子だって、もしかして組み分け帽子も間違えそうになったのかい?』
【いや、珍しいなと思っただけさ】
珍しい?その言葉にハテナがAの頭の上に乗っかる。
『どういうことかい?』
組み分け帽子になげかけた言葉に返事はなかった。
【君は、今までのどの子よりも血が濃く出ているよ】
血?何の話か分からなかった。
【私はそれをとても嬉しく感じている。私がこんなことを言ってはいけないのだがね。】
【まだ、繋がっていたのだと私は安心して組み分けを続けられるよ】
本当に何を言っているのか分からなかった。何が繋がっていただ。血?そりゃもちろん父親はシャックルボルトの人間だ。純血だと言いたいのか?
でも、母の出生は分からないから半純血かもしれない。
Aは自分が純血だと思っていなかった。
そっちの方が楽だったからとも言える。
【すまなかった。また、私情を話してしまったよ。君を困らせてしまったね。】
『それで、どこの寮にいれるのかい?』
【それは、もう決まっているよ。やっとだ。やっと私は君をこの寮へ入れることが出来る。】
【君の血が、君自身が意志を継ぐだろう】
最初から最後まで何も分からなかった。
だけど、A・シャックルボルトの寮を叫ぶ組み分け帽子の声は歴代稀に見るほどに明るく嬉しそうだったと先生方やダンブルドアは思うのだった。
【グリフィンドール!!!】
酷く長く感じた時間は、グリフィンドールから溢れる声でかき消された。
「A!!!」
ハリーが席から立ち両手を広げている。
『君と同じ寮になれたよ!!』
「僕も、すっごく嬉しい!」
ハリーの隣に座れば目の前にはハーマイオニーが居て嬉しそうに微笑む
そうしていれば、次はロンの番だ
でも、もう彼の居場所は決まっているも同然だ。
【グリフィンドール!!!】
あぁ。神様。こんなにも幸せを感じたことはありません。
ありがとう。僕をここへ連れてきてくれて。
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あずき(プロフ) - めちゃくちゃおもしろいです!!!!落ちとかって決まったりしてますか? (2023年1月31日 0時) (レス) @page31 id: 452ba847db (このIDを非表示/違反報告)
まるものぷ(プロフ) - フォールさん» 私も大好きな小説なので気がつけばたくさん更新してしまいます笑頑張ります! (2023年1月29日 21時) (レス) id: c6b5f1ed5f (このIDを非表示/違反報告)
まるものぷ(プロフ) - 真昼さん» とても嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月29日 21時) (レス) id: c6b5f1ed5f (このIDを非表示/違反報告)
フォール(プロフ) - この小説に出会えて良かったです!まだまだ序盤の方だけどとてもおもしろいです!どうか主様のペースで最後まで筆記し続けて頂けると幸いです!頑張ってください、応援してます! (2023年1月28日 21時) (レス) @page13 id: eb505c02be (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - この先、どうなっていくのか楽しみです!最後まで応援しています!! (2023年1月28日 8時) (レス) id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまびこ | 作成日時:2023年1月27日 1時