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あれから怪我人の手当をするために一つ一つの部屋を回ったが毎回同じような反応をされた。
最初はまぁ私だから当たり前なんだけど。なんて思ってたけどだんだん同じことの繰り返しになるとめんどくさくなって来る。
まず入るや否や絶叫され、倒れる人間もチラホラ
いちばん私がダメなのでは?
私見て選手が鼻血出してそれを処置するって、自分で自分の仕事増やしてるよね。
そんな中、最後の部屋に入る。
やっとここまで来た、随分待たせてしまったなと思いながら部屋に入ればここはここでなんとも殺伐としたというか
『あ、遅くなりました…』
入っては行けない扉を開いてしまった気分だ。
1人の選手が私を見て、目を見開くが声すら出てこないのだろう。
それは、多分私のせいじゃなくてこの元凶を作った1人の選手
糸師 凛
私はこの人を知っている。
糸師冴の弟
そして、私の幼馴染
「お前だったのか、」
私に目も向けないで言葉だけを投げかけてくる。
『それが久々に会う昔馴染みへの第一声?』
「お前と俺はいつから友達になったんだ」
『あら、ごめんなさいね』
いつからこんな関係になってしまったのだろうか。
そんな私と糸師 凛の会話を聞いていた選手たちはざわつき始めていた。
気まづいな、
今日で何回気まずさを私は感じているのか。
『そこのあなた、足を見せてください。テーピングするので』
でも、私がこの部屋に来た理由は選手の手当だ。
手当をしている選手が私と不意に顔が近づけば、真っ赤になる顔
そりゃ、こんな可愛い子が目の前にいたらそうなるよね。
『はい、終わりました。』
「あっ、ありがとうございます、」
『大丈夫ですよ。それが私の仕事ですから』
もうとっくに慣れた営業スマイルを選手に向ける。
そうすれば、何処からか凄まじい威圧を感じる。
早く出てけと言わんばかりに
『言われなくても、』
出ていきますよ
扉から出る瞬間最後に後ろを振り返れば目が合う
すると直ぐに逸らされる
なんなのよあいつ
私の知っている糸師 凛はもう居ないんだと
改めて実感すると少し寂しくて
『久々に会えたのにな』
それ以上に悔しかった。
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(名前)(プロフ) - 😎👍 (2023年1月17日 19時) (レス) @page12 id: 6868ad981d (このIDを非表示/違反報告)
もも - めっちゃおもしろいです!最高や…。 (2022年12月28日 16時) (レス) id: 010901fb4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまびこ | 作成日時:2022年12月22日 23時