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「そうか」
「まあ、あんま走りすぎると転けるから気をつけろよ」
そう言って去っていこうとする千切くん
『ちょっと待って!』
その言葉に訳が分からないような表情でこちらを振り向く
『あのさ、こんな質問していいのか分からないんだけど』
その言葉に少しだけ顔が曇る
「俺は答えられることなんて」
『シャンプー』
「へ?」
『シャンプー何使ってるの?』
私の質問が予想外だったのか、急に力が抜けたように千切くんは顔を緩ませた。
「一応、美容室の使ってる」
「多分、絵心さんのほうがいいの使ってるよ」
綺麗な髪の毛を触りながら、私の目を見て答えてくる姿はまさに妖艶で、もし同性だったら手強い的になっていたなとしみじみ思う。
『いや、めちゃくちゃその匂い好きだからもし嫌じゃなければ教えて欲しい』
「あー、商品名?」
『そうそう』
「今ぱっと思い出せないから確認してからでもいい?」
『全然いいよ!』
「あ、そうだ」
なにか思い立ったのか私の腕を引っ張て千切くんは長い廊下を歩いていく。
なんの会話もないまま千切くんの目的地まで歩いた。
『えっと』
なにか、話した方がいいのかな?と思って口を開けば
「ちょっと此処で待ってて」
そう言って近くの部屋に入っていった。
あ、多分ここはZチームの寮だ。
この部屋になんの用があって私を連れてきたんだろーなんて考えていれば少ししてドアが開く
「ほら、これ」
『え?』
「俺の使ってるシャンプーとコンディショナー」
「たまたま試供品貰ってたから、1回これ使ってみな」
『え、?』
目の前にいるのは女神か!!?思ってた以上に千切くんが優しい人だったと判明、
『ほんとにいいの!?』
「うん、別に俺は自分用のあるし、それにシャンプー変える時って1回試してからの方がいいだろ?安くねえんだし」
『千切くんって女神なの?』
「いや、違うけど」
貰った試供品を受け取る。
『ほんっとにありがとう!』
お前良い奴だな!の勢いで感謝を伝えれば少し引いた目をしてから優しく笑う千切くん
「なんか、テレビで見るよりそっちの方がいいな」
『え?』
「ま、もしそのシャンプー買うことになったら俺に言って俺もついでに買うから」
『ほんと君は優しいね』
「ま、他の奴らにはここまでしないよ」
その言葉に首を傾げれば私の頭へと手を乗せて
「これからよろしくお世話係さん」
颯爽と部屋に戻って言った。
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(名前)(プロフ) - 😎👍 (2023年1月17日 19時) (レス) @page12 id: 6868ad981d (このIDを非表示/違反報告)
もも - めっちゃおもしろいです!最高や…。 (2022年12月28日 16時) (レス) id: 010901fb4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:やまびこ | 作成日時:2022年12月22日 23時