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先に行ったみんなの後ろ姿が見えてきた。前に見えるボロボロの建物は、作戦の前半に拠点として使っていた場所らしい。ここから先は忍術学園まで全員で帰るだけだ。

『ふぇっくしょん!!』

我ながら大きなくしゃみをする。夏の午後といえども、流石に体が冷えてしまったようだ。

「大丈夫ですか?」

彦四郎が心配そうに見上げてくる。

『んー、平気平気。ただ、今は熱いお風呂に入りたいな』

実家を出てからまともに休めてないしね。忍術学園に着くのがこれほど待ち遠しいことはない。

「あ、A!!」
『ん? ってうわぁ!』

前からの声に向き直った途端、私の体はタックルを受けて地面に倒れ込んだ。全身を力強く締め付ける腕に容赦なくかかる体重。

『ハル!』
「んもう、心配したんだから! いつまで経っても帰って来ないし、見つかったと思ったら追われているなんて!」

そこには親友の姿があった。涙目になりながら説教してくる。後ろには愛すべきくの一教室のみんなもいる。

『ごめんね』

私は微笑んだ。自分がハルの立場だったら絶対心配でたまらなかっただろうから。しっかりと抱きしめ返す。

「まぁ、私ばかりがAを独り占めするわけには行かないわね」
 
ハルが悪戯っぽく笑い、私の上から退く。砂埃を払いながら身を起こすと、そこには喜三太救出に向かっていた兄上もいた。

『兄上ー!』

満面の笑みでその腕に飛び込む。人前だけどいいよね、私は何年も兄上に甘えられなかったんだから。

「はは、元気そうで良かったよ」

落ち着いた口調でそう言いながらも、兄上はしっかりと私を受け止めてくれた。髪をぽんぽんと撫でてくれるが、ふとその凛々しい眉を寄せる。

「それにしても、やけに濡れていないかい? まさか川にでも落ちた訳じゃ…………」

そのまさかなんだよね。
後ろでごくりと息を呑む音がした。振り向くと七松先輩と竹谷先輩が気まずそうに私の方を見ないようにしていた。喜八郎も空に気になるものがあったのか、そちらに意識を取られているみたい。流石に七松先輩も利吉さんと呼び尊敬している兄上には、細かいことを気にするらしい。

『ちょっと事故があっただけだよ。私は元気だから』
「そうか、ならいいんだが……」

兄上はもう一度意味ありげに後ろを見やった後、私の頭を撫でた。

喜三太も無事に夏休みの宿題を終えたらしい。立派なふんどしを旗にしている。

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メロンパン(プロフ) - みんながわい”い”ーー!!!😭 (2022年11月3日 20時) (レス) @page16 id: c77e52a74c (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - あいさん» ありがとうございます……! (2022年4月27日 0時) (レス) id: af895ee0d7 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメです!! これ面白いです! 続き頑張ってください (2022年4月13日 8時) (レス) @page44 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 愛衣さん» 愛衣さん、いつもコメントありがとうございます!読んで貰えてこその小説ですので、愛衣さんのような方がいてくださって本当に嬉しいです(*^^*)コロナに負けずに頑張りましょうね!これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2021年6月18日 23時) (レス) id: 53993a59b7 (このIDを非表示/違反報告)
愛衣(プロフ) - 長くなって申し訳ございません!!これからもずっと応援しています!大好きです!!!!更新頑張ってください!! (2021年6月18日 22時) (レス) id: 67408eab69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まみむー | 作成日時:2021年6月5日 19時

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