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後で聞いた話によると、虎若たちが池の堤を破壊して砲弾が直接届かないようにしたらしい。さっきのすごい音はそれだったんだ。1年生なのにそんな大役を果たすなんて、すごいなぁ。
「乱太郎! 消毒して〜!」
突然叫びながら飛び込んできた孫兵が、泣きながらジュンコを差し出す。
「嚙まれた人を連れてきなさい!」
思わず乱太郎もお怒りだ。周りのみんなも苦笑い。
その後、敵方の兵が次々に運び込まれた。佐武衆のおかげで相手もすでに戦意消失、途中から参加した私はいまいち理解していないけれど、作戦は無事成功したらしい。
とりあえず、一部を除いてみんな怪我していなくてよかった。わたしはほっと息をついた。相手方の兵たちはほとんどが農民だったりして、「村に帰って、田んぼやらんと……」と呟いているのが何とも言えなかった。乱太郎の言うとおり、戦なんかしない方がよっぽどいいんだ。
そして、残った敵方が逆茂木に火をつけたらしい。何やら兵太夫たちが仕掛けをしたと聞いているけど……
ロケットのような轟音。私は思わず外に出た。
そこで目にしたのは、火を噴きながら飛んでいく逆茂木。
そして、色とりどりの花火。
『なにこれ……』
今までいろいろなものを見てきたつもりではあるけど、私は唖然とするしかなかった。逆茂木が飛ぶって、何したらこうなるの?
そんな私の横を、乱太郎が駆け抜けた。柵から身を乗り出すようにして、叫ぶ。
「怪我した人ー! 手当するから遠慮なく投降してくださーい! 保健委員からのお知らせでーす!」
流石、保健委員会。私は思わず笑って拍手していた。
こっちは片付いた。あとは喜三太を迎えるだけだ。
それからは、園田村の修復で大忙しだった。落とした橋や堤、砲弾で破壊された建物など、直さなければならないものはたくさんある。用具委員会は大活躍だった。
保健委員会の仕事をある程度まで済ませると、他のところを手伝うように言われた。多分伊作先輩は、私が早くみんなに会いたいことを察してくれたのだと思う。私はお言葉に甘えて、救護室を後にしたのだった。そして、
『みんなー!』
みんなが働いているところに、手を振りながら駆け寄る。石火矢の手入れをしていた三木エ門が、はっと顔を上げる。
「A!」
次の瞬間、私はいろんな人に取り囲まれていた。
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メロンパン(プロフ) - みんながわい”い”ーー!!!😭 (2022年11月3日 20時) (レス) @page16 id: c77e52a74c (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - あいさん» ありがとうございます……! (2022年4月27日 0時) (レス) id: af895ee0d7 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメです!! これ面白いです! 続き頑張ってください (2022年4月13日 8時) (レス) @page44 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 愛衣さん» 愛衣さん、いつもコメントありがとうございます!読んで貰えてこその小説ですので、愛衣さんのような方がいてくださって本当に嬉しいです(*^^*)コロナに負けずに頑張りましょうね!これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2021年6月18日 23時) (レス) id: 53993a59b7 (このIDを非表示/違反報告)
愛衣(プロフ) - 長くなって申し訳ございません!!これからもずっと応援しています!大好きです!!!!更新頑張ってください!! (2021年6月18日 22時) (レス) id: 67408eab69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まみむー | 作成日時:2021年6月5日 19時