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夢すら見ない深い眠りを経て、私は目を覚ました。朝の5時くらいだろうか、私の周りでは昨日けがをした保健委員のみんながすやすやと眠っている。外からはいつもとは少し違う虫の鳴き声がして、ここが慣れた忍術学園や実家とは違う場所なんだということを私に再実感させる。

昨日はずっと動いていたので全身が痛い。それでも大きな怪我がなかったのは不幸中の幸いかな。

外に出るとまだ夜のように暗く、松明の明かりだけが道を照らしている。よく見るとこの村は要塞のように防備を固めてある。先輩方が教えてくれたように、今日戦いの火ぶたが切られるのだろう。
私も何か手伝えないかな。本当はくの一教室のみんなと一緒にいた方が役立てるとは思うんだけど。きっと心配させているだろうし。

「……目が覚めたか」
『中在家先輩!』

後ろから声をかけられて私は振り向いた。忍び装束に身を包んだ先輩は相変わらずの表情だ。

「無事でよかった」
『あ、ありがとうございます……!』

先輩の言葉が聞き取れていることもだけど、普通に嬉しいな。その短い言葉だけで疲れが吹っ飛んだ気がする。

中在家先輩はそれだけ言うと、仮説の医務室の中に入っていった。おそらくみんなを起こしているのだろう。きっとこれから、最後の準備が始まるのだ。

そうだ、今日は保健委員の手伝いをしよう。無事な保健委員が1年生だけなんだ、人手は多い方がいいに決まっている。


そうこうするうちに夜が明け始め、同時に村全体が動き始めた。さすが忍者たち、早朝から動くことには皆慣れているみたいだ。

中在家先輩に言われて手潟さんという人の家に行くと、そこには

「「「A先輩!」」」
『みんな!』

縁側に座っておにぎりを頬張る、かわいいかわいい一年生たちの姿が。
みんな食事の最中だというのに、私を見つけた途端に駆け寄ってきた。

「噂は本当だったんだ! 昨日A先輩が帰ってきたって!」
「どこに行ってたんですか? 僕たちずっと心配してたんです」

団蔵と兵太夫がまん丸の目で見上げてくる。私は二人の頭をクシャっと撫でた。

『心配かけてごめんね。いろいろあって忍術学園には行けなかったんだ』


何があったのか、私はみんなに話した。勿論横に座って久しぶりに温かいご飯を食べながら。
城の見取り図を完成させた後に捕らわれたこと、それから二つの城の忍びに追いかけられたこと。
うーん我ながら長い旅だった。お疲れ様、自分。

▽→←園田村に合流の段



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メロンパン(プロフ) - みんながわい”い”ーー!!!😭 (2022年11月3日 20時) (レス) @page16 id: c77e52a74c (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - あいさん» ありがとうございます……! (2022年4月27日 0時) (レス) id: af895ee0d7 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメです!! これ面白いです! 続き頑張ってください (2022年4月13日 8時) (レス) @page44 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 愛衣さん» 愛衣さん、いつもコメントありがとうございます!読んで貰えてこその小説ですので、愛衣さんのような方がいてくださって本当に嬉しいです(*^^*)コロナに負けずに頑張りましょうね!これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2021年6月18日 23時) (レス) id: 53993a59b7 (このIDを非表示/違反報告)
愛衣(プロフ) - 長くなって申し訳ございません!!これからもずっと応援しています!大好きです!!!!更新頑張ってください!! (2021年6月18日 22時) (レス) id: 67408eab69 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まみむー | 作成日時:2021年6月5日 19時

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