思わぬ再会！？の段 ページ22
今日は、やけに学園が騒がしい。
最初は気のせいだと思ったけれど、医務室に来てくれた三木ヱ門が私の予想を確信に変えてくれた。
「私も今朝知ったのだが、突然利吉さんが来たらしくてな。みんな話を聞きたくてウズウズしているんだ」
『利吉さん…………？』
口に出すと何だか知っているような名前な気もする。と同時に、微かな違和感すら覚えた。
三木エ門は心底楽しみにしているように笑う。
「そうか、Aは男と関わってこなかったから知らないのか。すごいぞ、利吉さんは。私たちとそこまで年は変わらないがフリーの売れっ子忍者で、しかも山田先生の息子なんだ！」
あれ、山田先生の息子？
まさかの予感に思考を止めた私。三木ヱ門はお構いなしにルンルンだ。
「しかし、どうして急に来られたのだろう。私も火器について聞きたいことはたくさんあるが……」
「待って下さい！」
突然、久々知先輩の焦ったような声がした。そして、忍者のものではあるが急いでいるのがすぐ分かる足音。
医務室の戸が勢いよく開いた。
息を切らした青年。茶色い髪を結い上げ、整った顔をしているが、驚いたように見開かれた目元は私の叔父である山田先生にそっくりだ。
記憶にあるよりも大きくなったその姿。
私は信じられない思いで彼の顔を見つめていた。
「利吉さん、医務室に何の用が……」
久々知先輩が後から現れてその名前を呼ぶ。やっと衝撃から解放され、私の口が自然と動いた。
『あ、兄上…………？』
「A！」
呼びかけた瞬間、私の肩を抱きすくめた利吉さん────兄上。懐かしい香りと、取り戻した記憶より低くはなったが面影の残る声。あんぐりと口を開ける三木ヱ門と久々知先輩の前で、私たちは数年ぶりの再会を味わっていた。
「記憶が戻ったって聞いて…………本当に、もう怖がらないんだな」
私の頬に手を当て、存在を確かめるように覗きこんでくる。嬉しくて思わず顔をぐしゃぐしゃにして笑った。
『ごめんね、私の勝手な都合で……もう平気なの。兄上、ずっと会いたかった……！』
もう一度しっかりと抱きしめる。
「あのー、お二人とも？」
久々知先輩の困惑した声。私はやっと体を離して向き直ったり
『彼は山田利吉さん』
にこりと笑って紹介する。
『小さい時から兄のような存在で、私の従兄にあたります』
一瞬の沈黙。
「「ええーっっ！？」」
驚きの叫び声が、医務室を超えて学校中に響き渡った。
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メロンパン(プロフ) - みんながわい”い”ーー！！！😭 (2022年11月3日 20時) (
レス) @page16 id: c77e52a74c (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - あいさん» ありがとうございます……！ (2022年4月27日 0時) (レス) id: af895ee0d7 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメです！！ これ面白いです！ 続き頑張ってください (2022年4月13日 8時) (レス) @page44 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 愛衣さん» 愛衣さん、いつもコメントありがとうございます！読んで貰えてこその小説ですので、愛衣さんのような方がいてくださって本当に嬉しいです(*^^*)コロナに負けずに頑張りましょうね！これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2021年6月18日 23時) (レス) id: 53993a59b7 (このIDを非表示/違反報告)
愛衣(プロフ) - 長くなって申し訳ございません！！これからもずっと応援しています！大好きです！！！！更新頑張ってください！！ (2021年6月18日 22時) (レス) id: 67408eab69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まみむー | 作成日時：2021年6月5日 19時
