優秀なくのたま劣等生！其の六

▽ ページ19

「バカタレ！ 四年生の実習で怪我をするなど鍛錬が足りん！」
『おっしゃる通りです……』
　
　こんにちは、Aです。今は他のみんなが見てる中で叱責という公開処刑を受けてるの。もちろんby潮江先輩です。

「いや、今回は私も悪かった、直前に余計なことを言ってしまって」
『立花先輩はちっとも悪くないです！ むしろホントに良い助言をいただきましたし……』
「そうか、だと良いが……」

　二人がお見舞いに来てくれたのはびっくりだ。というか、六年生全員が来ているんだけどね。

「文次郎、医務室で大声出さないでくれよ？」
「しかしこの面、手作りにしてはしっかりとできているな。用具委員会の仕事を手伝ってもらいたいくらいだ」

　保健委員会の善法寺先輩は言わずもがな、私の面をいじる食満先輩。欲しいならあげるよ。

「元気になったらバレーしような、A！」
「もそ」

　また死ねと？七松先輩。中在家先輩が何を言ってるかは分からないけど、今読んでる南蛮書に分からない部分があるのだろう。私は上半身だけ起こして先輩に解説する。


　この二日間、本当にたくさんの人が見舞ってくれた。一年は組や学級委員長委員会、三年ろ組に一年い組まで。
　私が寝ている時にも誰かが見舞いの品を持ってきてくれたみたいで、枕の横にはお菓子の山があります。後でみんなとシェアしようっと。

「さて、これはAちゃんに返すよ。何だかんだ僕がずっと預かっていたしね」

　善法寺先輩が食満先輩からお面を取り上げて私に渡す。

『お陰でお面なしでも過ごせるようになったので。もうこれは必要ないです』

　それでも手に馴染む、友からもらったお面。これを介してしか先輩方と話せなかった頃が既に懐かしく思える。

　ああ、もし私がこっちの世界を選ばなかったら、これは私の形見になってたのかもな。そしたらお面残された善法寺先輩は可哀想だね。


「それにしても、もうすぐ夏休みか」

　と食満先輩。

「早いね、本当に。Aちゃんは実家に帰るのかい？」

　善法寺先輩の問いかけに頷く。

「いろいろしなきゃならないことが溜まっているので。よろしければ皆さんも遊びに来てください。きっと両親が喜びます」
「マツオウジ忍者とまた会えるなら是非行きたいところだ」

　潮江先輩は正直でよろしい。

　私はカラッと晴れた外を見つめた。そっか、もう夏が来たんだ。
　
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
尼崎行ってきた！忍たま再燃！
更新頑張りますp(^_^)q

▽→←お見舞いに来てくれたの段

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す