お見舞いに来てくれたの段 ページ18
四年生とわちゃわちゃすると流石に疲れたので、大人しく休むことにした。熱は下がってきたんだけどなぁ。この数日間で心身の衰えが半端じゃない。
みんなは夕食を食べている頃だろうか。耳を澄ませると、ほんの少しだけど賑やかな声が聞こえて来る。ハルはずっと一緒に居てくれようとしてたけれど、流石に私も四年生。一人でも平気だ。
ふと、医務室の襖が擦れる音がした。
「A、起きてるかい？」
『久々知先輩！？』
何故だか久しぶりに聞いたような気がする、大好きな先輩の声。夕暮れが医務室に久々知先輩の影を落とす。横になったままの視界に現れた先輩はほっとしているような、心配しているような、複雑な顔をしていた。
「タカ丸さんからAがよくなったって聞いて。ほら、伊助と三郎次も」
先輩が声をかけると入り口の所で止まっていたのか、二人も恐る恐る私の側に来る。
「心配しましたよ！ まさかA先輩がこんなことになるなんて！」
いきなり伊助おかんの雷が落ちる。私は思わず苦笑い。
『ごめんねぇ。かっこ悪い姿見せちゃって』
そんな後輩とは反対に何も言わない三郎次。その頭を、久々知先輩はくしゃりと撫でる。
「三郎次が一番落ち着いてなかったね。Aのことがずっと心配で」
「久々知先輩！ 余計なお世話です」
頬を赤らめて言い返した後、決まり悪そうに三郎次は私を見る。
「でも、心配したのは本当です。こんなこと二度としないで下さい」
『…………うん、約束する』
もう、何も悩まなくていい。私はこっちで生き抜くんだから。
ひとしきり話したあと下級生は食堂に夕食を取りに行き、医務室には私と久々知先輩が残る。
先輩の白い指が私の額にかかった髪を払い除ける。そのまま猫を撫でるかのような優しさで額に触れられた。
「本当に…………気が気でなかったんだ」
ぽつりと先輩は呟く。私が意識を失っている間に何があったかは分からないけれど、気持ちの整理がつかずすぐに会えなかったので申し訳ない。
『私はもう大丈夫ですよ。これからはずっとここにいます』
頭を撫でる先輩の手を取る。ぎゅっと握ると、私の存在を確かめるかのように久々知先輩は手を握りかえしてきた。その温もりがとても優しくて、私は安心して目を閉じた。
『先輩も、どこにも行かないで下さいね』
「忍者にそんなことを言うかい？ でも…………出来るだけ努力するよ」
『ふふ、ありがとうございます』
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メロンパン(プロフ) - みんながわい”い”ーー！！！😭 (2022年11月3日 20時) (
レス) @page16 id: c77e52a74c (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - あいさん» ありがとうございます……！ (2022年4月27日 0時) (レス) id: af895ee0d7 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 初コメです！！ これ面白いです！ 続き頑張ってください (2022年4月13日 8時) (レス) @page44 id: 4bcda9126d (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 愛衣さん» 愛衣さん、いつもコメントありがとうございます！読んで貰えてこその小説ですので、愛衣さんのような方がいてくださって本当に嬉しいです(*^^*)コロナに負けずに頑張りましょうね！これからもよろしくお願いしますm(_ _)m (2021年6月18日 23時) (レス) id: 53993a59b7 (このIDを非表示/違反報告)
愛衣(プロフ) - 長くなって申し訳ございません！！これからもずっと応援しています！大好きです！！！！更新頑張ってください！！ (2021年6月18日 22時) (レス) id: 67408eab69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まみむー | 作成日時：2021年6月5日 19時
