委員会見学その七の段 ページ37
「いい時間になったな。最後は生物委員会か」
「どうせ今も逃げ出した毒蜘蛛とかを探してるんじゃないの?」
『毒蜘蛛………………?』
五年生お二人の、何やら物騒な会話。昼間あんなに高かった太陽は刻々と沈んでおり、そろそろ委員会終了の時間だ。
しかし生物小屋に行くと、虫探しに行っているのか確かにそこには誰もいなかった。そして、見たことのない虫がいっぱいカゴに入れられている。うわぉ。
「あまり驚かないんですね」
彦四郎はビクビクしながら言う。いや、驚いてはいるんだけど。基本的にくノ一教室のG担当だから虫には強いんだよね。それにしても、うーん、これを可愛がろうとは思わないなぁ。どっちかというと、駆逐する対象?
「ジュンコー?」
三年生の子が涙目になりながら生物小屋に入ってくる。この子も色白で整った顔をしている。もう驚かないよ、はは。
「孫兵、八左ヱ門はどこだ?」
「今毒蛇のジュンコが逃げてしまったので、みんなで探しているところです。皆さんも探して頂けませんか?」
「またかよ、全く…………」
鉢屋先輩は孫兵に呆れたような目を向ける。どうやら日常茶飯事らしい。虫だけじゃなくて、蛇もいるんだ。
「どうする、Aちゃん」
尾浜先輩がまん丸の目でこっちを見る。そんなこと言われたって。
『私も探します!』
当たり前でしょう、後輩が困っているのだから。私は生物小屋を出ると、すぐにジュンコを探し始めた。
『ジュンコー! どこにいるの?』
声を張りながら地面に目を走らせる。気配は感じない。そう言えばジュンコって何色なのだろう。聞いておけば良かった。
学級委員長委員会のみんなもバラバラになって、ジュンコを探し始める。しばらく探したが全く見つからず、低い姿勢に疲れた私は一旦立ち上がって伸びをする。その時、視界になにやら動く物が見えた。
よく見ると、生物小屋に赤い何かが入っていくところだ。もしかして。
生物小屋に走る。入り口のところから覗き込むと、美しい蛇がとぐろを巻いているところだった。
『ジュンコ?』
そっと呼びかけると、蛇はピクッと反応する。振り返って私を見ると「シャー」と短く鳴いた。
『こっちおいで、ジュンコ。ご主人が心配しているよ?』
目線を合わせて呼びかけてみるが警戒されているみたいで、なかなか寄ってきてもらえない。動物には好かれる方だと思ってたんだけど違ったみたい。
「もしかしたら、そのお面を怖がっているのかもな」
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砂糖水 - (_;´꒳`;):_同じくぅぅぅぅ (2023年3月21日 21時) (レス) id: 1d36f8c737 (このIDを非表示/違反報告)
黒糖さまでーす - 天女じゃない所は良き、ですがオリキャラとモブは無理だったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ(((泣 (2023年3月4日 17時) (レス) @page12 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - 初心者Mさん» 自分では仲のいい忍術学園しか想像出来ず、こうなりました笑 鼻血が出てますよ□ヾ(・∀・`o)フキフキ読んでくださってありがとうございます! (2021年3月17日 21時) (レス) id: bb04bdd80d (このIDを非表示/違反報告)
初心者M - 天女ものではない所が、好きです。(鼻血) (2021年3月17日 21時) (レス) id: 8867205e66 (このIDを非表示/違反報告)
まみむー(プロフ) - にゃんこさん» にゃんこさん、ありがとうごさいます!誰にも読んでもらえないと思っていたので凄く嬉しいです! (2021年3月17日 14時) (レス) id: bb04bdd80d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まみむー | 作成日時:2021年3月16日 12時