優秀なくのたま劣等生！其の七

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「そうそう、また出かけたりもしようよ。美味しいお店がたくさんあるしさ」

尾浜先輩も久々知先輩の後ろからひょこっと顔を出す。その肩を鉢屋先輩が掴んだ。

「学級委員長委員会にも顔を出すといい。一年生が喜ぶからな」
「いつも先輩方がお世話になっております」

庄左ヱ門が真顔で言う。さっすが、相変わらず冷静ね。

「図書館でも会えるよ。Aちゃんは本当に沢山の本を読むからね」
「……………もそ」
「いつでも歓迎する、だそうでーす！」

心温まる図書館委員会。最初からずっと、私はこの雰囲気が大好きだった。

「医務室でだって会えますよ！ 健康が一番ですが！」
「後でまた医務室に来るんだよ。穴に落ちて怪我をしているといけないから」

たくさんお世話になった保健委員会。乱太郎も善法寺先輩も沢山私の傷を癒してくれた。感謝してもしきれない。

「ジュンコと先輩にも、いつでも会いに来てください」
「孫兵！？ ……まぁなんだ、虫は嫌かもしれんが、生物委員会にもぜひ顔を出してくれ」

微笑む孫兵と、顔を赤くする竹谷先輩。ニコニコする可愛い一年生たち。勿論、絶対に顔を出させていただきます。

左門と三之助に背を押され、慌てたように作兵衛が駆け寄ってきた。私の前に来て、言葉を探すようにしている。私は少し身を屈めた。

『作兵衛、なぁに？』

「…………A先輩、俺、絶対に追いついてみせます！」

意を決したように、作兵衛は顔を上げた。私の方がまだ身長は高いが、いずれこの差も無くなるのだろう。

『待ってるね』

私はにっこりと微笑んだ。恥ずかしかったのか作兵衛の顔がボンッと赤くなる。誰かが口笛を吹いた。

「なんだ？ Aにこくは────」
「小平太、少し黙ってくれ」

何か言いかけた七松先輩を、食満先輩が遮ったのが聞こえた。隣の立花先輩は楽しそうだ。

「本当にたくさんの出会いがあったのね」

ハルが後ろに来ていた。私は感動しながら振り返る。


『ありがとう、ハル。私……忍たまのみんなと出会えて本当によかった』

自然とそんな言葉が溢れた。涙は止まっていた。

四年生のみんなの方に向き直る。相変わらず個性強めだけど、最初よりもずっと、何かがまとまっている気がした。

「ごほん……改めて、合格おめでとう、A」

三木ヱ門が咳払いをし、祝いの言葉をかけてくれる。一斉に拍手が食堂内を包んだ。



なんと大きなものを、私は得たのだろう。


『ありがとう。改めて、これからもよろしくね』

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