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そして遂に、零子の机を殴る音と共にこのワンプレイは終わりを迎えた。項垂れる零子を見遣れば、彼女は「あそこでグレにならなきゃ……。グレにならなきゃ……」としきりに呟いている。どうやらALL PERFECTは達成できなかったらしい。あれだけコールを一生懸命かけていれば無理もない話だが、自身が同じ条件(寧ろ永夢の方が難易度は高かった)でALL PERFECTを達成しているだけに、慰めづらい。苦笑しつつ彼女の肩をポンと叩けば。零子は机に突っ伏していた頭を持ち上げて勢いよく永夢の方を振り向いた。
「っつーかお前マジですげぇよな……！使ってんの親指だけだし化物かよ……」
「零子ちゃんの指さばきも、ピアノでも弾いてるみたいで凄いけどね」
「っつーかお前、しゅわりんどりーみんなのにハロハピ使ってただろ」
「えー、まぁ推しバンドだし……。っていうか零子ちゃんは推しバンド、パスパレなんだね」
待機中に見た称号から推測され当てられた零子は、何やら照れ臭そうに「なんだよ、悪いかよ……仕方ねぇだろコイツラ可愛いんだから」と、顔を背け後ろ頭を掻く。意外と分かりやすく可愛いキャラクターが好きなようだ。
「てっきりアフロかロゼリア推しだと思ってたよ」
「最初はそうだったけど、しゅわりんどりーみんに脳を溶かされた」
「それは凄く分かる……」
頷き合う。すると二人は、突然真剣な表情がシンクロしたことが面白かったのか、お互いの顔を見て吹き出した。
「よっしゃ、今度はデレステでもやるか！」
「零子ちゃんデレステもやってるんだね」
「あぁ、スクフェスもナナシスもやってる」
「僕スクフェスやってないや……。入れようかな」
「オススメだぞ。バンドリと同じぐらいシンプルだしな。ちなみに推しはにこにーとルビィちゃんだ」
「好み分かりやすいよね零子ちゃん。そしてやっぱり意外な人選……。僕は誰だろう、あ、この子いいなぁ」
そう言ってスマートフォンに映るキャラクターを指差すと、零子は身を乗り出して永夢のスマートフォンを覗き込んだ。
「穂乃果ちゃんか。お前は元気な思いっきり主人公って感じのタイプ好きだよな。こころんもそうだけど」
「明るい子には惹かれちゃうよね」
「デレステは卯月か？」
「いやー、卯月いいけど、僕はみくにゃんかな……」
「意外だな……」
「零子ちゃんはきらりんとか好きそうだね」
「きらりんも好きだけど……」
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作者名：サインバルタ | 作成日時：2019年6月15日 15時
