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「この後はまた自主学習だろ？しかも昨日より長い！」
「らしいな……。あー、今からもう既に頭が痛ぇ……」
他の生徒達もそのようで、彼らは「帰りたくない」と駄々をこねつつ教員の指示でバスへ乗り込んでいく。合宿自体は楽しいが、あたしも自主学習の時間だけは嫌いだ。元々勉強は嫌いだし。あたし達はこれから待ち受けてる事実に、一気に重くなった体を引きずるようにして美術館を出た。
地獄の様な自主学習時間を終え、あたし達はすっかり暗くなってしまったグラウンドに出る。外では先生達やセンターのスタッフらがキャンプファイヤーの準備をしていたらしく、後は点火するだけだ。最後の夜ということで、盛り上がるには鉄板のイベントだろう。小中学校での経験から勝手知ったると言わんばかりに、集まった生徒は自主的にキャンプファイヤーを囲うように座りだす。あたしもどこか適当な所に腰を落ち着けようかと静かな場所を探していると、後ろから肩を叩かれ、そちらを振り返った。
「零子ちゃん」
「明日那」
明日那が宝生と鏡を引き連れている。どうやら季実子を探しているらしい。そういえば、先程から季実子の姿を見かけない。
「季実子ちゃんを探してるんだけど、知らないかな？」
「さぁ、あたしも見てねぇんだ。まぁその内ひょこっと出てくんだろ」
「うん……」
大したことない失くし物みたいな言い草をしてしまったが、実際奴は忘れた頃に出て来たりと神出鬼没なので、あながち間違いではないだろう。それにどうせ。
「石動先生のとこかな」
みんなの輪の中に入って行く明日那と鏡。その背中を見ながら、一人残った宝生があたしにそう問いかけた。
「知ってんのか」
「音無さんも知ってるんでしょ。ハイキングの時にわざわざ季実子ちゃんに助け舟を出してたし」
「まーな。そんで、どうすんだよ？」
「どうするって ？」
「探すのかってことだよ」
宝生は、一歩前に進むとあたしの方を振り向いて「当然でしょ」と笑った。キャンプファイヤーはどうやら吉野先生が点火したらしく、少しずつその炎を大きくしていく。
「僕、季実子ちゃんの恋路を邪魔するってちゃんと本人に宣言したから。有言実行するだけだよ」
火に集まっていく他の生徒達の歩みに逆らい、宝生は人気の無い方へと進んで行った。あたしは……。奴を応援していいのか、邪魔をしたほうがいいのか。どちらが最善なのかがわからなかった。だからあたしは、応援することもなく黙って人波に飲まれることにした。
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サインバルタ(プロフ) - 雪華さん» ちょっと存じ上げませんね… (2020年7月22日 21時) (
レス) id: 4afdb47c62 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - トランスフォーマープライムは知っています？ (2020年7月22日 16時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
サインバルタ(プロフ) - 横峯俊さん» わ〜（泣）ありがとうございます…！生憎只今一旦全て消して書き直ししているところですが、もっと良いものを書けるよう頑張りますので今後ともよろしくおねがいします…！惣一貴利矢さん推し見つけられて滅茶苦茶嬉しいです…！ (2020年1月26日 18時) (レス) id: 4afdb47c62 (このIDを非表示/違反報告)
横峯俊(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています！惣一さんも貴利矢先生も小説が少ないので、毎回楽しみにしています！ (2020年1月25日 9時) (レス) id: e7388357bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サインバルタ | 作成日時：2018年12月21日 5時
