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「……なんだ、音無か」
ほっとしたようにため息をつく先生に、苦笑が溢れる。室内を覗けば、先生の机の下から季実子がひょこりと顔を出した。どうやら隠れていたらしい。いつも人が来るとそうしているのだろうか。
「零子ちゃん。どうしたの？」
駆け寄ってきた季実子の頭にぽんと手を乗せる。「もう、子供扱いして！」と怒っていたが、どう見ても子供なので致し方ない。取り敢えず、あたしは奴の怒りを無視して自身の用事を告げた。
「テスト終わったし、遊びに行かねぇかと思って」
「え、零子ちゃんと？」
「まぁ、万丈と宝生も居るけどさ」
「その二人となら別にいいけど……」
首を傾げたまま石動先生を見遣る季実子。先生はそんな季実子に「寝なくていいのか？」と聞くと、奴は少し悩んだように顔を伏せた。あたしも強要する気は無い為、返事は好きにしてくれて構わないのだが。季実子は顔を上げたかと思うと、ニッと口角を上げて先生に擦り寄る。
「行ってほしくないんですか？先生」
「なんでそうなる……」
「寝なくていいのか？は、まだここにいて欲しいの裏返しなんじゃ？」
「はいはい行ってこい行ってこい。音無、今すぐこいつを連行してくれ」
「うぃーっす」
「やだぁ〜！」
問答無用で季実子の首根っこを捕まえ、物理準備室から引きずり出す。季実子は嫌そうに泣き真似をしていたが、それがあたしに効かないとなると、拗ねたように頬を膨らませた。
「はぁ……。行くのはいいけど、じゃあ行く前にちょっと理科室に寄ってくれる？戦兎先輩に言ってくるから」
「あぁ、そうか……。いつも戦兎先輩と帰ってんだもんな」
方向転換し、校門へ向かう足を理科室へと進める。理科室は科学部の部室なのだ。理科室に着く頃には、引きずられていた季実子もしっかりと自分の足で歩き、自分で理科室の扉に手をかけていた。
「オープンザセサミ〜」
おどけてそう間延びした声で言いつつ引き戸を引き、理科室に姿を表した季実子に。科学部の連中達が目を見張り口々に「西城さんだ……！」と、嬉しそうな声を上げる。科学部はメガネ率が高くオタクっぽいという偏見があったが、その通りらしい。そして嬉しそうにしている割に誰も季実子の方へは歩み寄って来ない。しかしまぁ、季実子は本当にこういうオタクっぽい奴らに好かれるんだなぁ。なんて思っていると、理科室と繋がっている理科準備室の扉から、尋ね人が姿を現した。
「あ、戦兎先輩」
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サインバルタ(プロフ) - 雪華さん» ちょっと存じ上げませんね… (2020年7月22日 21時) (
レス) id: 4afdb47c62 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - トランスフォーマープライムは知っています？ (2020年7月22日 16時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
サインバルタ(プロフ) - 横峯俊さん» わ〜（泣）ありがとうございます…！生憎只今一旦全て消して書き直ししているところですが、もっと良いものを書けるよう頑張りますので今後ともよろしくおねがいします…！惣一貴利矢さん推し見つけられて滅茶苦茶嬉しいです…！ (2020年1月26日 18時) (レス) id: 4afdb47c62 (このIDを非表示/違反報告)
横峯俊(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています！惣一さんも貴利矢先生も小説が少ないので、毎回楽しみにしています！ (2020年1月25日 9時) (レス) id: e7388357bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サインバルタ | 作成日時：2018年12月21日 5時
