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そう言った瞬間、貴利矢は嬉しそうに目を細め口角を上げた。大したことじゃないのに何が嬉しいんだか。一方で兄は家に上がると「お茶でも出そうか」と言ってリビングに入って行く。浮足立っており、お腹の贅肉がたぷんたぷんと揺れているのが見ていて面白い。貴利矢はあたしの耳元に口を寄せ「零子と兄さん、あんまり似てないな」と呟くと、兄の後を追いリビングへ向かった。太っているから似てないと思われがちだが、痩せていた時は瓜ふたつと言われたものである。それに、あたしが今ゲーム好きなのも兄がよくゲームで一緒に遊んでくれたからだ。かなりのオタクではあるが、あたしは優しい兄の事が大好きだ。
「へぇ〜、お兄さんは大学生なんすねぇ」
「そうそう。聖都大の理工学部でね。サークルはゲーム研究会とアイドル研究会をかけもちしてるんだ」
「零子のゲーム好きはお兄さんに似たんすねぇ」
会話しつつも、兄はテキパキとお茶と茶菓子を用意し、あたしと貴利矢の前に置いた。自分の分は用意していないようだ。
「あれ、兄ちゃんは何も食べねぇの？」
「あぁ、俺はすぐ出るからさ」
「どこ行くんですか？」
「ちょっと美容院に……」
「兄ちゃんが！？彼女でも出来たのかよ！？」
千円カットの床屋にしか行かない兄の口から、まさか美容院という言葉が出てくるとは。明日は嵐になりそうだ。と思っていると、兄は照れたように笑いながら「それがさ……」と口を開く。
「俺の推してる地下アイドルが今度デビューする事になって……。デビューコンサートが近いから身を清めておこうかと……」
「へぇ、地下アイドルがデビュー……。そういえば、季実子ちゃんも今度デビューするんだよな」
そう貴利矢が言ったその時、兄の目の色が変わった。そして、素早く座る貴利矢の前に立つと。奴の手を取りまたもやズイと顔を近づける。
「季実子ちゃんってマカロンズの！？貴利矢くん、どうして季実子ちゃんの事を……！？もしかして同志？」
あたしと貴利矢は思わず顔を見合わせる。もしかして、もしかしなくても。兄ちゃんって……？
「兄ちゃんが推してる地下アイドルってもしかして、マカロンズなのか？」
「そうだよ！なんだ、零子も知ってるのか？」
「知ってるも何も……」
「季実子ちゃんは自分と零子の友達っすよ、お兄さん」
貴利矢がそう告げた瞬間、兄の時が止まった。
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サインバルタ(プロフ) - 雪華さん» ちょっと存じ上げませんね… (2020年7月22日 21時) (
レス) id: 4afdb47c62 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - トランスフォーマープライムは知っています？ (2020年7月22日 16時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
サインバルタ(プロフ) - 横峯俊さん» わ〜（泣）ありがとうございます…！生憎只今一旦全て消して書き直ししているところですが、もっと良いものを書けるよう頑張りますので今後ともよろしくおねがいします…！惣一貴利矢さん推し見つけられて滅茶苦茶嬉しいです…！ (2020年1月26日 18時) (レス) id: 4afdb47c62 (このIDを非表示/違反報告)
横峯俊(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています！惣一さんも貴利矢先生も小説が少ないので、毎回楽しみにしています！ (2020年1月25日 9時) (レス) id: e7388357bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サインバルタ | 作成日時：2018年12月21日 5時
