六月一日【怯える瞳】 ページ33
オリエンテーション合宿が終わったと思ったら、西城がメジャーデビューすることになったと美空づてに聞いた。勿論俺も、担任であり親しい間柄ということで本人からもその話は聞いたが。しかし──なんとも忙しい娘だ。 学校の事だけでもクラス長やら今度の中間試験やらで忙しいだろうに。最近は放課後に物理準備室に来ることも減ったし、今彼女がここに居る光景も、実に一週間ぶりである。俺は課題の採点をしながら向かい合わせで座る季実子の方をチラリと見た。
「進んでるか？」
「んー……。上々、とは言い難いですねぇ」
彼女は試験勉強がてら俺が試験週間前に出した物理の課題をやっているらしい。睡眠時間はあまり取れていないものの、試験勉強を疎かにする訳にもいかない為、取り敢えず課題だけやって寝るのだと言う。彼女は特段勉強が出来るという訳でもないので、努力は必須なのだ。その努力をする理由が「三年生に上がっても先生のクラスになれる可能性が高いA組に入る為」って言うんだから、健気で可愛いと思ってしまうのも無理はないわけで。ちなみに可愛いというのは生徒としてであって女の子としてとかそういうアレではなく……。というか、心の中で何を必死に言い訳しているのだろう。思考を停止して、俺は取り敢えず西城のノートに目を向けた。
「ほらほら、また単位変換するの忘れてるぞ」
「あっ、ほんとだ……」
「ちょっと寝てからやった方が捗るんじゃないか？」
「でも……。一度寝ちゃうと下校時間まで寝ちゃいますし……。家でやるにも分からないとことか聞けないですし」
「そうだなぁ」
纏まった時間眠れない分、此処で寝る時の彼女の眠りはとても深い。だからだろうか、ちょっとやそっとの刺激では起きない為、俺も日頃から彼女を起こすのには苦労していた。つまり、短時間で浅く眠れる方法があればいいということで。となると……。
「授業中に寝る時みたいに、今の座った状態で寝たらどうだ？」
十五分から三十分間寝る程度なら、机に突っ伏して寝るのが最適だとよく聞く。提案に西城は「そうですねぇ」と考え込んだあと、大きく頷いて俺の方を見上げた。
「うーん。じゃあそうしてみます。もし三十分経っても起きなかったら、叩き起こしてくださいね」
「分かった。思いっきりつねってやる」
「もう、酷いんですから」
笑いながら西城は椅子の脇に置いていたリュックサックからタオルを取り出す。そしてそれを丁寧に畳み、机の上に乗せると。
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サインバルタ(プロフ) - 雪華さん» ちょっと存じ上げませんね… (2020年7月22日 21時) (
レス) id: 4afdb47c62 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - トランスフォーマープライムは知っています？ (2020年7月22日 16時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
サインバルタ(プロフ) - 横峯俊さん» わ〜（泣）ありがとうございます…！生憎只今一旦全て消して書き直ししているところですが、もっと良いものを書けるよう頑張りますので今後ともよろしくおねがいします…！惣一貴利矢さん推し見つけられて滅茶苦茶嬉しいです…！ (2020年1月26日 18時) (レス) id: 4afdb47c62 (このIDを非表示/違反報告)
横峯俊(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています！惣一さんも貴利矢先生も小説が少ないので、毎回楽しみにしています！ (2020年1月25日 9時) (レス) id: e7388357bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サインバルタ | 作成日時：2018年12月21日 5時
