五月十日【最終日】 ページ18
「先生、A組全員揃いました」
帰りのバスに乗り込んだA組の点呼を早々に終わらせ、わたしは一番前の席で何やら報告書のようなものを纏める石動先生にそう報告した。A組は自己責任主義で肩の力が抜けないというところがあまり好きでは無かったが、こうして各々が規則を守ってくれるという点は割と好きだ。クラス長として楽だから。先生は「オッケー、ご苦労！」と言うと、それがごく自然であるかのようにわたしの腕を掴み、ぐいと引っ張る。突然のことにバランスを崩したわたしは、先生の隣に抵抗する間もなく座らされ。すぐにまた報告書の方へと視線を移す先生にジトリと目を向ける。
「何するんですか……」
「どうせここに座るんだろ？」
「まあ、そうですけど……」
不機嫌そうな顔をして見せたけれど、本当は凄く嬉しい。きっと先生は今言った通りの理由でそうしたのだろうけど、それでもわたしの心は高鳴り、弾む。そんなことが出来るのは先生だけなんですよって、そう言いたくなった。──が。
「どうせここに座るんだろ？だって、うぷぷ」
「僕も季実子ちゃんの隣が良かったのに……。仮野さんに引きずり込まれて……」
突然上から降ってきた声に、わたしは体を先生の方へ仰け反らせて驚いた。先生も驚いているようで、倒れてきたわたしの肩を掴む手が強ばっているのがわかる。
「明日那ちゃ……！永夢くん！」
二人はわたし達の席の後ろに座っていたようだ。そして身を乗り出しこちらの会話を聞いていたらしい。明日那ちゃんはニヤニヤと意味深に笑いつつ、永夢くんは疎ましげに先生を睨む。先生は明日那ちゃんの反応に困惑しているようだった。そうだ、先生は明日那ちゃんに色々バレたのを知らないわけで……。反応が怖くて恐る恐る先生の方を見遣れば、先生は「バレたのか」と言いたげに、先程のわたしよろしくこちらをジトリと見ていた。
「アレは零子ちゃんのせいです……。とんだ巻き添えを食らったわ」
「まぁ、それぐらいでバレるんなら西城もまだまだってことだな」
「わたしの男装も見抜けなかったくせに……」
「う……。それは言わない約束だろ？」
「ふーん、季実子ちゃんと先生って、ほんとに昔から知り合いだったんだ〜。すっごく仲良し！」
「あんまり仲良くしすぎたら、他の先生に告げ口しますからね」
「それはやめてくれ宝生」
切実な先生の頼みに、永夢君は「しませんよ、冗談です」と苦笑する。
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サインバルタ(プロフ) - 雪華さん» ちょっと存じ上げませんね… (2020年7月22日 21時) (
レス) id: 4afdb47c62 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - トランスフォーマープライムは知っています？ (2020年7月22日 16時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
サインバルタ(プロフ) - 横峯俊さん» わ〜（泣）ありがとうございます…！生憎只今一旦全て消して書き直ししているところですが、もっと良いものを書けるよう頑張りますので今後ともよろしくおねがいします…！惣一貴利矢さん推し見つけられて滅茶苦茶嬉しいです…！ (2020年1月26日 18時) (レス) id: 4afdb47c62 (このIDを非表示/違反報告)
横峯俊(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらっています！惣一さんも貴利矢先生も小説が少ないので、毎回楽しみにしています！ (2020年1月25日 9時) (レス) id: e7388357bf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サインバルタ | 作成日時：2018年12月21日 5時
