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「実は何回か落としたんだよね、炭酸」
「なんだと？美空てめぇ、何やってんだよ！」
「万丈が真っ先に海に行かなきゃ手伝って貰えたし落とす可能性も低かったんだけどね」
「なっ！」
ぐうの音も出ないらしい。いいぞ美空ちゃん、もっと言ってやれ。
「ってことで万丈、お前が炭酸な」
取り敢えず万丈くんが悪いということで場は収まり、零子が万丈に炭酸を手渡す。まぁとにかく、皆揃ったということなので。
「おっしゃ、やっと海に入れる〜！」
零子が飛び上がってはしゃぐ。よほど海に入りたかったらしい。明日那ちゃんも零子に同調し、勢い良く上に来ていたオーバーサイズのTシャツを脱ぎ去り、続けて美空ちゃんもパーカーを脱いだ。明日那ちゃんはピンクのパレオ付きの水着で、美空ちゃんは水色のキャミソール付き水着のようだ。下はデニムの短パンに見えるが、これも恐らく水着の一種だろう。美空ちゃんの露出度が低いのは、石動先生に止められたからなのかもしれない。そして次に、季実子ちゃんが戸惑いながらパーカーのファスナーを下ろした。そして現れたのは、季実子ちゃんのマカロンズでのイメージカラーと同じくレモンイエローのセパレート水着。胸元がフリフリとしており、下は白のフリルスカートに、上と同じレモンイエローのリボンが付いている。実に季実子ちゃんらしい。だが自分は知っていた。その胸元の形が、胸が盛れる仕様になっているということを。ゼロにゼロをかけてもゼロなのだが……。取り敢えず何もツッコまないことにして、戦兎と石動先生の反応を見遣った。
「ど、どうですか？先生」
「あぁ、似合ってるよ。可愛い可愛い」
流石は先生、大人の対応である。
「季実子……写真撮っていい？」
流石は戦兎、童貞の対応である。渋々写真撮影に応じる季実子ちゃんを横目で見つつ額に汗していると、零子もパーカーに手をかけた。かなり暑いせいか、羞恥心は二の次のようだ。そして彼女がパーカーの前を開いたその瞬間。
「ッ！？」
「っぐ……っ！！」
万丈くんと自分は死んだ。
「ど、どうしたんだよ？」
セクシーな赤の紐ビキニ。これは破壊力が高すぎる。活発で、加えて大人っぽい印象の零子に、自分は暫し目を奪われていた。横から「見すぎですよ」と季実子ちゃんにニヤつきながら肘で突かれ我に返りはしたものの。万丈くんは放心したように零子の姿を見続けている。
「いいなぁ、好きな人から見惚れられて。わたしなんて軽くあしらわれて終わりですよ」
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作者名：サインバルタ | 作成日時：2020年11月6日 10時
