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つまり、自分と戦兎でタッグを組んで万丈くんを負かそうという策略だ。素直に完全運であるじゃんけんを選んでいればいいものを。
「でもよぉ、罰ゲームが簡易ベッドで寝るだけってのは軽すぎねぇか？」
万丈くんの思わぬ言葉に笑いを堪えきれない。自ら墓穴を掘っていることに気づいていないとは。笑っているのがバレないよう、すぐさま顔を背ける。戦兎も同じようで、肩を震わせていた。
「よーし、じゃあ負けた奴は石動先生の部屋で寝るって事で」
にっこりと笑ってそう提案する戦兎に、堪えきれず吹き出す。更に万丈くんが「九条先輩がその罰ゲーム受ける可能性もあんだからな」と言うので、更に笑いが込み上げてきた。もう勘弁してほしい。震えながら彼の言葉に了承すると、笑いを誤魔化すように戦兎が話題を変えた。
「季実子達も何かを賭けて勝負するらしい」
「あいつらもなんか企んでんのか。……よし、じゃあアレだ。俺らの勝負はビーチバレーに決まりだな」
万丈くんの提案に、なるほどと頷く。これなら全員で遊べるしいいかもしれない。
「そうと決まれば！行くぞおらー！」
「待てって万丈、俺まだ着替えてなっ……！」
着替えを終えて、騒がしい男子部屋からロビーへ移動する。其処には既に石動先生が居り、眠たげにソファに座り込んでいた。ずっと運転していたわけだし、眠たくなるのも仕方ないか。
「やっぱ女共はまだか」
「女物の水着は複雑だからな。時間がかかるんだろ。それより、如何にして季実子の水着姿に耐えるか……。それが問題だ」
確かに、戦兎にとっては大きな問題なのだろう。自分も零子の水着姿に耐えられる自信はない。しかし、自分と同じような事を万丈くんも考えているんだろうなぁと思うと腹が立つ。想像だってさせたくないのに。
「あぁ、三人共来たのか」
嫉妬の炎を燃やしていると、石動先生が自分達の存在に気づいた。いつもだったら見られないハーフパンツに薄いパーカーに、気だるげな様子(眠いから)は、恐らく季実子ちゃんが見たら憤死することだろう。
「あ、皆！お待たせ」
先生がこちらに気づいたのと同時に、美空ちゃん達が降りてきた。こちらに向かって手を振り、皆で駆け寄ってくる。流石にホテルのロビーで全開の水着姿にはなっていないようだ。皆パーカーやTシャツ等を上に着ている。……が、零子が着ているパーカーの裾から伸びる生脚に目が行ってしまう。
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作者名：サインバルタ | 作成日時：2020年11月6日 10時
