【学パロ】蜘蛛と鶏の青春事情･第四章【仮面ライダー】 (ページ18)

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しかもこれがかなり速いのだから驚きだ。A組とB組が同時にゴールし、いよいよ最後の障害物である。

「最後はカーテンで仕切られた小部屋と、机の上に乗せられたたくさんの衣装！これを見ればすぐにお分かりでしょう！」

早い話が、コスプレ早着替え……。というわけか。コンプライアンスが厳しい時代に、よくもこんな企画を通せたものである。次の走者である西城に際どい衣装が当たらないよう祈るばかりだ。

「最初に出てきたのは……！おおっとぉ！チャイナ服に見を包んだA組だぁぁぁぁ！ここからは更に、二人三脚で最終ゴールを目指します！」

西馬のチャイナドレスでの登場に、男子生徒達が湧き上がる。人気の生徒のコスプレが見られるというので、この企画は通ったんだろう。続けざまに出てきた幼稚園スモック姿のB組とA組の一騎打ちは、土壇場でB組が巻き返しB組の勝利となった。

「第二走者！位置について、よーい……」

　そしていよいよ、西城らの出番である。西城と万丈はお互いに何やらバチバチと火花を散らしていたが、宝生と音無は「まぁお互い頑張ろう」と和やかなムードであった。B組の女子も、宝生と手を繋いで位置につく西城を睨んでいたが、西城自身は万丈と何やらずっと言い争っているようで気づいていない。泥沼の戦いになりそうな予感だが。そんな嫌な予感をよそに、彼らはピストルの音と共にスタートした。

「勢いよくスタートした二年生クラス長達！まず最初の風船サンドイッチにほぼ同時で到着だ！」

一年生が先にやっているのを見て、策を練ってきたらしい音無と万丈。二人は繋いでいた手を離し、風船を挟むとすぐに、更に近づいて互いの肘あたりを掴んだ。強く風船を挟むことができ、腕があることによって風船が脇から飛んでいくのを防いでいるようだ。そして二人は、横走りで一気に最初のゴールへと進んで行った。流石、仲のいい二人である。しかし、宝生と西城だって負けていない。万丈と音無程仲が良いわけではないが、この二人も相性はいい方である。一歩一歩着実に進み、C組との差を縮めていった。

「うおおおおおおお！季実子に負けてたまるかぉぁぁぁ！！」
「わたしが龍我くんに負けるわけ無いでしょうがぁぁぁ！！」
「万丈選手に西城選手、物凄い気迫ですが……！B組の方も負けじと二組を追っている！」

一歩分早くゴールに着いた音無らは、滑り込むようにラケットを手に取り、風船を打ち上げた。