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だって、そんな格好してるお前がおかしいわけで。
「………あ、そういう趣味に？目覚めました、的な？」
俺のその言葉に、彼女は首を傾げた。
もしかして俺は今、おかしいことを言ったのだろうか。
そう考えたのも束の間、彼女は俺の目線の先に気づき、俺の言った言葉の意味を理解したのか、慌てて首を横に振る。
「違う！断じて違う！」
「じゃあ、これは一体？」
これ――と、彼女の頭に付いたうさぎの耳を指差す。
彼女はやれやれと溜め息を吐いたが、渋々重たい口を開いた。
「……面倒だが説明しよう」
彼女は、俺を連れ部屋から出る。
そして、床の無い部屋の前で立ち止まると、彼女はその暗闇を指差した。
「そこの部屋、床がないだろう？あれは、何かしらの罠が作動し、床が綺麗に落ちて行った後だ。なんの罠かはわからんが、可能性が高いのは、他のところにいる誰かが罠を作動させたというものだな」
そう言うからには、自分では無いという自信があるのだろう。彼女の言葉なら何故だか頷けてしまう。
「ふむ。確かに、俺達の方にもそういった罠がいくつかあったな」
ついさっき、ここへ繋がる通路が出来たのも、もしかしたら他の所で仕掛けが作動した結果かもしれないし。
俺は特に彼女に異論を唱えたりすることもなく、次の説明を聞く。
「そして、わたしは瞬時に落とし穴を回避し、向こう側の窓へ飛び移った」
「流石だな」
「しかし、どう頑張ってもあそこからこちらへは届かん。縄も引っかけられるようなところが無かったしな。何かいいものは無いかと、道具袋を漁った。そしてわたしは、この部屋を探索する前にこっちの部屋にあったうさみみバンドとしっぽを見付けたのだ」
うさみみバンドとしっぽ、と言ったところで彼女が少し言い淀んだのを俺は見逃さなかった。
恥ずかしかったんだなぁ。
「で、それが解決にどう役立った？」
「跳躍力が物凄く上がる」
ほう……。
可愛くて機能性もある優れものだったか。
「なるほど」
「わたしもかなりの賭けだとは思ったが、当たったからよかった」
「お前ならもしかしたらそれ無くても……いや、それより」
口を接ぐんだ俺に、彼女は首を傾げた。
「無事でよかった」
はい、恥ずかしい。
最近キャラブレすぎじゃなかろうか、俺。
Aは顔を背けるし、聞いてないのか。
聞いてないのかコイツは。
俺はコホンと咳払いをし、腕を組む。
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作者名：うれい | 作成日時：2017年12月28日 5時
