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第9話 ページ9

Aのお見舞いの後、エルヴィンが執務室で仕事をしているとノックの音がした。
時間はもう夜と言っていい。

こんな時間に誰だろうと思いながら応えると、入ってきたのはリヴァイだった。

「なんだ?こんな時間まで仕事か」
「ああ。明日の分も出来たんでな。明日持ってくるのも面倒なんで、今持ってきた」

そう言ってエルヴィンの机の端に書類を置く。
書類を置いたリヴァイは、エルヴィンの机の隣に小さな荷台があることに気づいた。
山ほど書類が積まれていて、一番上に『未』と書いた付箋がある。

「なんだこれは」
「ああ。それは明日Aに渡すんだ」
「Aに?」
リヴァイが眉間に皺をよせた。

「彼女が確認しなくてはならない書類が溜まってしまってな。後数日で退院できるまでに回復しているようだから、明日持って行ってやらせる」
「…そうか」

リヴァイは毎日Aの見舞いに行っているそうだが、それをエルヴィンは知らなかった。
エルヴィンの目を盗んで行っているという事だ。
だから気づいていないふりをして、こうして「明日は来るなよ」という予防線を張った。

「そうだ、リヴァイ。明日、知り合いの店に行くんだ。リヴァイも一緒に来てくれ」
「あ?なんで俺が」
「ウォールシーナの店でな。一度来てくれと何度も言われているんだ。流石に1人で行くわけにもいくまい」
「そういう店なら男女ペアで行くもんなんじゃねぇのか?よく知らねえが」
「ああ。他のメンバーは明日の朝にでもハンジに頼んで声をかけてもらうから安心してくれ」
「…安心できねぇな。何を企んでやがる」

勘のいいリヴァイは軽く睨みつけてきた。
自分を誰と組ませる気なんだと言いたげだ。

「まぁ、仕事だと思って我慢してくれ」
「なにが仕事だ。明日は全員非番の日だろうが」
「いいじゃないか。気の知れた連中と高級な飯に行くだけだ」

まったく譲る気のないエルヴィンに大げさにため息をついたリヴァイだったが、「了解だ」と言って部屋から出て行った。



これで、エストとは終わりにしよう。
エルヴィンはそう思っていた。
きっとAなら自分の意図を理解してやってくれる。
その時は凄く怒るだろうが、後で謝るしかない。

エルヴィンにはこんな方法しか思い浮かばなかった。

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設定タグ:夢小説 , エルヴィン   
作品ジャンル:恋愛
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ララ(プロフ) - pさん» コメントありがとうございます。エルヴィンが大好きなので、楽しんでいただけたならとても嬉しいです! (2021年10月2日 2時) (レス) id: fde67403b5 (このIDを非表示/違反報告)
p(プロフ) - ララさんの書かれるエルヴィンが大好きです。素敵なお話、ありがとうございます!!!( ̄^ ̄゜)♡ (2021年10月1日 20時) (レス) @page20 id: 237578d476 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ララ | 作成日時:2020年12月29日 10時

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