第7話 ページ7
エルヴィンはAの病室にいた。
やっと落ち着いたのでお見舞いに来たのだ。
来る前に買ったお菓子は、子供の頃にAの両親がどこかに手土産と言えば買って持たせてくれたお菓子だった。
あまり菓子類に興味がないエルヴィンは、彼らの教えてくれたこの味が一番美味しいと思っている。
ドアをノックするが返事はない。
開けてみるとAは寝ていた。
Aがベッドテーブルにうつ伏せで寝ている。
何か書き物をしていた様だが寝落ちしたのだろう、紙の上には読むことができないミミズみたいな線が描かれている。
真下を向いて寝ているAに近づくとその後頭部に声をかけた。
何度か声をかけると目を覚ましたAと、二三言葉を交わす。
「寝起きで目の前に男がいてなんとも思わないのか？君は」
とエルヴィンが言うと、
「私の事を一番女性としてみてない人がよく言うわねぇ」
と返される。
そしてAが出してきたのは、彼女の持ち物とは思えないセンスの紅茶セットだった。
それがリヴァイの用意したものだと聞いて驚いた。
リヴァイがAの見舞いに、しかも毎日来ているなんて知らなかったからだ。
その割に毎日ちゃんと仕事は終えていて完璧の仕上がりだった。
全てはエルヴィンにこの事を悟られたくないが為だったのだろう。
とりあえずそのセットでお茶を淹れる。
そしてリチャードとの事を聞いた。
やはりちゃんと断ったという話は本当らしい。
ハナから信じてなどいなかったが、酔いつぶれた時に「リチャードと結婚した方がいいのか？」と言っていた事を蒸し返すと、「エルヴィンが酷い事ばかり言うからヤケクソで言ったんでしょ」と怒っていた。
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ララ(プロフ) - pさん» コメントありがとうございます。エルヴィンが大好きなので、楽しんでいただけたならとても嬉しいです！ (2021年10月2日 2時) (
レス) id: fde67403b5 (このIDを非表示/違反報告)
p(プロフ) - ララさんの書かれるエルヴィンが大好きです。素敵なお話、ありがとうございます！！！(￣^￣゜)♡ (2021年10月1日 20時) (レス) @page20 id: 237578d476 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ララ | 作成日時：2020年12月29日 10時
