第3話 ページ3
壁外調査が始まった。
拠点を構えてその日はそこで眠ることになる。
エルヴィンは幹部たちとテントの中で会議を終えると、コーヒーを飲みながら息抜きがてら拠点の中を見回った。
会議が長引いたので、もうほとんどの兵士は眠ったようだ。
ただ、いくつか向こうのテントから機械音がするので、技巧班はまだ作業をしているのが伺えた。
(まったく。あの運動タイプのAが、技巧班とはな)
エルヴィンは小さく微笑む。
冒険家になりたかった少女は、いつしかこの世界の冒険の必需品、立体起動装置に興味を持った。
今では調査兵団の機械関係の一端を担うまでになっている。
するとテントから人が出てくる音と、聞き覚えのある声が「うーん」と伸びをする声がした。
エルヴィンは少し早足でそちらに向かった。
少しでも、彼女と話がしたい。
壁外にいる間は、いつ死んでもおかしくないのだから。
エルヴィンはAと少し会話をして、Aのうたた寝に付き合った。
Aは、エルヴィンを諦める宣言をしてから明らかに今までと違う。
というのも、うたた寝から目を覚ましたAは自分にエルヴィンのジャケットがかかっていた事に驚いて、何度も謝りながらジャケットを返してきた。
今までならここで頬を赤らめるくらいの事はあったはずだが、それもなく。
(本当にあの夜、リヴァイと何もなかったのか？何かあったから君の気持ちに変化が起きたのか？)
そう聞きたかったがやめた。
もう自分はそんなに青い事をいうほど若くもないし、Aもいい大人だ。
「謝る必要ない。俺が好きでやったことだ」
それくらいに抑えると、Aは気まずくなって無理矢理に話を逸らしてきた。
Aはリヴァイが立体起動装置を持ってきていないことに疑問を持っているようだ。
「あんなに立体起動装置を大切にしている人が」
と言っていたが、そんなリヴァイの口実にも気づいていないらしい。
リヴァイはあんなに頻繁にメンテナンスに出す奴じゃなかった。
なにせあの潔癖症は、自分で全てできるのだから。
しかしこれは仕返しをするいい機会だと思った。
壁外調査前の非番で、バーでリヴァイに挑戦的な事を言われた仕返しをしてやろうと思いついたのだ。
Aと2人でリヴァイのテントを訪れてやろう。
そう思って連れ立った。
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ララ(プロフ) - pさん» コメントありがとうございます。エルヴィンが大好きなので、楽しんでいただけたならとても嬉しいです！ (2021年10月2日 2時) (
レス) id: fde67403b5 (このIDを非表示/違反報告)
p(プロフ) - ララさんの書かれるエルヴィンが大好きです。素敵なお話、ありがとうございます！！！(￣^￣゜)♡ (2021年10月1日 20時) (レス) @page20 id: 237578d476 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ララ | 作成日時：2020年12月29日 10時
