第18話 ページ18
そんなこんなでエルヴィンはあの店の前にいる。
Aが出てくるまで待つつもりだ。
その時間に、別れ際のマリーの言葉を思い出していた。
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「ちょっとAちゃんに意地悪なこと言っちゃったかもしれないからフォローしておいて」
「意地悪？何故そんなことを？」
「私はあの子が羨ましかったから」
「マリーがか？」
意外な言葉にエルヴィンは目を少し見開く。
「そう。自分の好きな事に貪欲で、冒険ごっこばっかりして、男性の気を引こうとかそんな事一切していないのに、結局一番欲しかった人の心を惹きつけたのよ。羨ましいじゃない」
「…」
「昔ね、Aちゃんに『マリーさんみたいになりたい』って相談されたことがあるの。その時、私みたいにバーやカフェで働いてみたらってアドバイスしたのよ。素敵なお姉さん方が沢山いるから勉強になるよ、って」
「ああ。あれは君が言ったのか。随分悩んでいて、私も毎日どうしたらいいか聞かされたよ」
「でもなんでやめたか知ってる？」
「いいや。知らないな」
「『冒険家になるのにオシャレは不要だから』、ですって。だから、好きな人とか振り向かせたい人がいるから興味を持ったんじゃないのかって聞いたらね。…きっとその人が自分を好きになってくれるなら、このままの自分でいいはず！ですって」
「Aがそんなことを」
「それでこの間…最後に会った時に、エルヴィンも似たような考えを言っていたからピンと来たの。エルヴィンはAちゃんが好きなのかな〜って。似た者同士は惹かれあうって言うじゃない？」
エルヴィンはただ微笑んだ。
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すると店のドアが開いてAが出てきた。
エルヴィンがAの視界に入ると、またもやあからさまに嫌な顔をされる。
ここにAがいることをマリーに聞いたと言うと嫌がるかと思って嘘をついたが見抜かれて余計に空気が悪くなる。
しかしもうエルヴィンに引く気はない。
今ここで彼女を引き留めないと、もう一生駄目な気がした。
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ララ(プロフ) - pさん» コメントありがとうございます。エルヴィンが大好きなので、楽しんでいただけたならとても嬉しいです！ (2021年10月2日 2時) (
レス) id: fde67403b5 (このIDを非表示/違反報告)
p(プロフ) - ララさんの書かれるエルヴィンが大好きです。素敵なお話、ありがとうございます！！！(￣^￣゜)♡ (2021年10月1日 20時) (レス) @page20 id: 237578d476 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ララ | 作成日時：2020年12月29日 10時
