第12話 ページ12
Aが席を立つと、他の面々が全員エルヴィンを見る。
「こういうことか」
最初に口を開いたのはリヴァイ。
腕組みをして睨んでいる。
「なんとなく予想はしてたけど、思ってたより凄い空気になったね」
ハンジが頭を抱えた。
ペトラはただ場の空気に圧倒されたのか黙っている。
「ハンジ。予想ができていたなら、もうちょっと対策できなかったのか」
ミケが言うと「いや、無理でしょ！」と返す。
「この際ハッキリさせて欲しいんだけど…。Aの事、大事なの？どうなの？」
ハンジが身を乗り出してエルヴィンに詰め寄る。
「？」
「？じゃなくて！急に優しくしたかと思ったらこんな事…Aの事、本当は大事なのか、利用する為に使ってるのかどっちなの？これ以上あの子をどうしたいのさ」
ハンジが身を乗り出す。
「俺もそれは気になる」
隣でミケも頷いた。
他の面々もエルヴィンの返事を待っている。
エルヴィンは顎に手を当てて緩慢な動きで考え込む。
「…ああ。そういう事か」
「だーかーら。…ああ。そういう事か。…じゃなくてさぁぁぁぁ」
ハンジがテーブルを叩く。
周りの客がチラッとこちらを見てくるので、ミケが止めた。
「はぁ。…もういいや。あなたが素直じゃないのは知ってたよ。言えば言うほどってやつだね。…とりあえず行ってやれば？」
ハンジは疲れた様にそう言ってAが歩いて行った方を指さした。
それでもなかなか席を立たないエルヴィンにリヴァイが言う。
「お前が行かないなら俺が行く」
「…なんだ、突然」
「この状況で席を立ったんだ。迎えに行ってやるのが親切だと思うが。どうする」
リヴァイの「どうする」は随分と挑戦的に聞こえた。
エルヴィンはやっと立ち上がると、Aが歩いて行った通路に歩いて行った。
そんなエルヴィンの背中を見送ったハンジは、わざとらしく肩をすくめて「いい歳して世話が焼けるよ」と言った。
そうしてAの後を追っていると、お手洗いの手前の裏口ドアの外からAとエストの声が聞こえた。
Aは、本当は自分がエルヴィンのパートナーではない事を話し、この事が原因で兵団が資金難に陥ったら自分がどんな手段を使ってでも責任を取ると言った。
その台詞に内心冷や汗が出たがエストの反応は違った。
なんとか収まった2人の会話が終わりそうだったので、エルヴィンはそこから少し離れた場所に移動する。
そして裏口から入ってきたAと対面した。
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ララ(プロフ) - pさん» コメントありがとうございます。エルヴィンが大好きなので、楽しんでいただけたならとても嬉しいです！ (2021年10月2日 2時) (
レス) id: fde67403b5 (このIDを非表示/違反報告)
p(プロフ) - ララさんの書かれるエルヴィンが大好きです。素敵なお話、ありがとうございます！！！(￣^￣゜)♡ (2021年10月1日 20時) (レス) @page20 id: 237578d476 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ララ | 作成日時：2020年12月29日 10時
