第2話 ページ2
(…懐かしい夢だな)
エルヴィンは自室で目を覚ました。
この所、昔の夢をよく見る。
きっかけは分かっていた。
リヴァイだ。
リヴァイが明らかにAに好意をもっている。
それに気づいた時。
焦燥感が生まれた。
怪我をしたAを訓練兵団に出したり、リチャードに差し向けたりしたが、今までなんとも思わなかったのにリヴァイの時は違う。
それに気づいた時、結婚した後も会い続けてきたマリーの事も頭に浮かばなくなった。
エルヴィンは大きく息を吐くとベッドに仰向けになった。
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彼女の事は嫌いではない。
むしろ人として魅力を感じていた。
それはもう覚えていない程、ずっと昔から。
冒険？にも恋にも壁外にも真っ直ぐで、悪く言えば猪突猛進。
これだと思ったらやらずにはいられないから下ごしらえもしない。
だから無駄に傷つく。
Aは何度告白を断っても傍にいた。
そして何度も気持ちを伝えてきた。
その度に俺は断って他の女性の元へ行き、Aの顔は直視できなかった。
そうしているうちに、俺のAへの気持ちは麻痺していったんだろう。
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昨夜、壁外調査前の食事会があった。
兵団での集まりがあると、Aは最終的には自然とエルヴィンの隣にいた。
それがいつもどこか気まずかった。
それはきっとお互い様だったのに、Aは昔からの癖なのかなんなのか、気づいたら傍にいた。
ただ不思議なのは、最初は気まずいのに、しばらく話をするととても楽しい。
だからまたAが期待して、期待していることに気づいたエルヴィンが気まずくなった。
でも今日はAを2軒目に誘ってみよう。
そして、今までの全ての態度を許してもらえるまで謝ろう。
そう思っていたのに。
昨夜は違った。
リヴァイがAを連れて行ってしまったのだ。
Aもいつもならエルヴィンの言う事を聞くのに、昨夜はリヴァイについて行った。
リヴァイの連れ去り方は堂々としたもので、皆が見ている前で誘って、皆が見ている前で連れて行った。
自分には到底真似できない事だ。
(昨夜は何時に帰ったんだ？)
エルヴィンは起き上がると、クローゼットを開けて新しいシャツを着た。
いつまでもマリーに想いを告げられずにいる間に、ナイルに連れ去られた。
想いを告げたって、調査兵になりたい自分についてきてくれなかっただろうが。
そして今もズルズルとナイルを裏切って2人で会っている。
今度はAが連れ去られるのだろうか。
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ララ(プロフ) - pさん» コメントありがとうございます。エルヴィンが大好きなので、楽しんでいただけたならとても嬉しいです！ (2021年10月2日 2時) (
レス) id: fde67403b5 (このIDを非表示/違反報告)
p(プロフ) - ララさんの書かれるエルヴィンが大好きです。素敵なお話、ありがとうございます！！！(￣^￣゜)♡ (2021年10月1日 20時) (レス) @page20 id: 237578d476 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ララ | 作成日時：2020年12月29日 10時
