第15話 ページ15
何を尋ねても応えないAをとりあえずエルヴィンは自分の執務室に連れて行った。
テーブルに座らせてお茶を出すと、Aはそれを飲む。
「話す気になったら教えてくれ」
エルヴィンはそういうと机で仕事を始めた。
「…どうしたらいい？」
「ん？」
しばらくしてAが呟いた言葉にエルヴィンが筆を止めた。
「わたし、エルヴィンがすき」
「…A？」
「でも一緒にいたら苦しい。エルヴィンの事を真っ直ぐ見られない。優しくされても裏を見てしまって。でも自分がもう、そんなエルヴィンを責められる様な良い人間じゃないのも分かってしまったの。そのジレンマも辛い。でも、そういうのを全て飛び越えるほど大好きなの……エルヴィンを信じられないのに」
「それは困ったな」
エルヴィンはAの隣に膝をついて座ると、涙を拭いて濡れた手を握った。
「…困るって？」
「俺の言葉を信じてもらうしかないからな。でもずっと傍にいたお前なら分かるだろう。俺は今まで、人を利用するためとはいえ一度だって愛を誓ったことはない」
そういうとAをゆっくり抱きしめる。
「Aがリヴァイに心変わりしそうになっていたのも知っている。でも、俺も真っ直ぐな愛ではなかった。これこそお似合いじゃないか？」
「…」
「君が俺の事を理解しているように、俺も君を理解しているつもりだ。なにせ、本当はもう何年も君が好きだったんだから」
エルヴィンはそっとAにキスをする。
Aがそれにこたえると、エルヴィンは彼女を抱き上げた。
第16話 若干閲覧注意（読まなくても次話に繋がります）→←第14話
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ララ(プロフ) - pさん» コメントありがとうございます。色んなエルヴィンを書いてみようと毎回試行錯誤していますが、楽しんでいただけたなら幸いです！今後も様々なエルヴィンを取り揃えていきますので(笑)、良かったらまた読んでやってください。 (2021年10月2日 2時) (
レス) id: fde67403b5 (このIDを非表示/違反報告)
p(プロフ) - ララさんの作品を読ませていただいたのはこちらで2作目ですが、こちらもまたドンピシャすぎました！！私の好きが詰まってました。とても幸せです。素敵なお話、ほんとにありがとうございました。 (2021年10月1日 20時) (レス) id: 237578d476 (このIDを非表示/違反報告)
ララ(プロフ) - んぴぴさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけたならとても嬉しいです。 (2021年1月16日 19時) (レス) id: 4ef94921e2 (このIDを非表示/違反報告)
んぴぴ(プロフ) - 大好きです！とても素敵な作品ありがとうございました（ ; ; ） (2021年1月12日 16時) (レス) id: d315a68a95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ララ | 作成日時：2020年12月19日 1時
