第2話 ページ2
エルヴィンから離れたA。
「ほんと、たった数日でなまるのねぇ。ありがとう」
なるべくいつも通りそう言ってエルヴィンに笑いかけた。
「じゃあお願いしてもいい？」
エルヴィンは「勿論」というと、ベッドテーブルの隣にテーブルを持ってきて、その上にもどんどん資料を置いた。
ベッドに座ってやってもいいけど量はある、という、心遣いがあるのかないのか分からない状態に、Aはエルヴィンらしさを感じてなんとなく笑ってしまった。
「なんだ？そんなに笑って」
「いや…ははは」
笑いながらベッドに座る。
すると隣に椅子を持ってきたエルヴィン。
何をするのかと思ったら仕事を手伝い始めた。
「え！？手伝ってくれるの？」
「判を押すだけのものなら俺でもできる」
「いやいやいや。腐っても団長にそんな事させてるの見られたら流石に…」
「団長は腐らないぞ」
(突っ込むところそっち？)
驚いているAをよそにエルヴィンは仕事を進めている。
「君が早く終わらせれば俺がやる分が減るだろう」
遠回しに「早くしろ」と言われてAは仕事に着手した。
お互いに集中して取り組んでいるが、Aは時々意識が猛烈にエルヴィンに向いていた。
こんな密室で、近距離で、エルヴィンと２人きりになったのなんて久しぶりだ。
今まではむしろエルヴィンからこういう状況を避けてきていたように感じていた。
(私の、諦めた宣言のお陰だよね)
ペンが走る音と紙を捲る音。
時々エルヴィンがする咳払い。
考え事をしながら吐くため息。
座りなおす時に聞こえる衣擦れの音。
傍にエルヴィンかいる事を実感する全てに、いちいち緊張して心臓が大きく鳴った。
それを誤魔化したくて作業に没頭する…の繰り返しだ。
それでもまざまざと感じさせられることがある。
(私、やっぱりエルヴィンが好きなんだ)
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ララ(プロフ) - pさん» コメントありがとうございます。色んなエルヴィンを書いてみようと毎回試行錯誤していますが、楽しんでいただけたなら幸いです！今後も様々なエルヴィンを取り揃えていきますので(笑)、良かったらまた読んでやってください。 (2021年10月2日 2時) (
レス) id: fde67403b5 (このIDを非表示/違反報告)
p(プロフ) - ララさんの作品を読ませていただいたのはこちらで2作目ですが、こちらもまたドンピシャすぎました！！私の好きが詰まってました。とても幸せです。素敵なお話、ほんとにありがとうございました。 (2021年10月1日 20時) (レス) id: 237578d476 (このIDを非表示/違反報告)
ララ(プロフ) - んぴぴさん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけたならとても嬉しいです。 (2021年1月16日 19時) (レス) id: 4ef94921e2 (このIDを非表示/違反報告)
んぴぴ(プロフ) - 大好きです！とても素敵な作品ありがとうございました（ ; ; ） (2021年1月12日 16時) (レス) id: d315a68a95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ララ | 作成日時：2020年12月19日 1時
