第76話 ※ご奉仕してます。注意です。エルヴィン視点寄り ページ29
Aはそれを全て受け止めたが、少し口の端から漏れてしまい、小さく咳をしたがそのほとんどを飲み込んだ。
座った状態で行われたので、その一部始終を見ていたエルヴィンは、何とも言えない背徳感を感じる。
「A、悪かった、つい。大丈夫か?吐きなさい」
「もう飲んじゃったから無理よ。それより、気持ちよかった?」
Aはまだたったままのエルヴィンのソレを撫でる。
「1回じゃ収まらないのね」
「…」
エルヴィンの返事を待たずまた口を開くAの肩を掴む。
「…挿れては、駄目か?」
「だめ」
Aは口の端をニッとあげた。
「これは罰なの。私にとっても、エルヴィンにとっても」
「罰?」
「エルヴィンが、私になにか隠し事をしてるから」
「君の罰はなんだ」
「…秘密。エルヴィンが話してくれた時に言うわ」
そう言いながらまたエルヴィンのモノを手でしごきはじめるAを、左腕で抱き上げると膝の上に乗せた。
「なら君もだ」
エルヴィンはAの首筋に舌を這わせると、シャツの間から手を入れる。
思わず身をよじったAだったが、あまり動くと膝から落ちそうになるので動けない。
程なくすると、Aもスカート越しにも分かる位に濡れてきた。
ここまですれば流石に挿れようと言うかと思ったが、今回はAの方が1枚上手だったようだ。
「やっぱり、まだ片腕に慣れてないのね」
そう言ってエルヴィンを押し倒すと、その体に何度もキスをしながら下半身に降りて行き、最終的にはエルヴィンのモノを舐めながら、自分の方は自分の手で慰めていた。
全てが終わると、Aは桶にお湯を入れ直した。
それで丁寧にエルヴィンの全身を拭く。
流石にあの後だったので、エルヴィンも拒否するでもなく文字通り全身拭いてもらった。
「やはりもどかしいな、片腕は」
「ふふふ。両腕あっても今日は駄目。これで明日どこか悪化してたら父さんに怒られるわ」
そう言われてハッとした。
よく考えたらここは彼女の実家だ。
しかしAはそんなエルヴィンの考えもお見通しの様子で、
「興奮したでしょ?」
「…まったく。呆れるな」
言葉とは裏腹にエルヴィンは楽しそうだ。
ここ数か月、情事のあとにこんな穏やかな気持ちになった事はなかった。
いつも罪悪感と虚しさしかない。
(そうだったな。Aとの夜は、いつもこんな気持ちだった)
穏やかに微笑むエルヴィンに、Aは少し困ったように俯いた。
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作者名:ララ | 作成日時:2021年5月7日 20時