マルコとナンパ(リクエスト) ページ35
.一方お留守番の方では
時間はもう22時を回った。明日の仕込みをする俺といつもはすっかり寝ている時間なのに、カウンターに座るAと2人っきり。
サ｢A、寝ないのか？｣
『…ぅん』
ココアの入ったコップを両手で持って、コクンと頷く可愛い女の子は正直者だ。
きっとマルコの帰りを待っているのだろう。
サ｢俺じゃ不満かぁ〜？？？｣
なんて少しおどけたように言えば、『ううん、さっちもすきだよ』と言うから不意に心臓が貫かれる。
サ｢マルコももったいねぇなぁ〜！！｣
｢こんな可愛い子のデートなんか断りやがってよ。｣と言いながら頭を優しく撫でてやれば、少し照れたように下を向いて笑うA。
『さっち、こぉしてくれる…？』
コトっとカップを置いたAは弱弱しく抱っこのお願いをしてきた。
サ｢断る兄ちゃんなんかいねぇよ！｣
どーんとこい、と腕を広げれば、すっぽり綺麗に収まるA。
『きょう、わがままさんになってもい…？』
いつもいい子でいるAの滅多にない我儘。
しかも自分から我儘さんになっても良いか聞くあたりもう我儘ではない。
来るお願いも我儘と言えるものではない。
こんなバカ(自分含む)な野郎だらけの中でどうしてこんなに良い子に育つのか…
サ｢言ってみろ、必ず叶えてやる！｣
『…まるこがかえってくるまで、さっちとAといぞうでねたいな』
サ｢なーんだそんなことか！！よし、イゾウの部屋に直行だな｣
ぶーんっ！と飛行機の真似をしながらトタタと走り込めば、腕の中から、んふふ、といつもの可愛らしい笑い声。
そうそう、そうやって笑ってればいいのよ。
こんな小さなレディーを泣かすとはまだまだ1番隊隊長の名が轟かねぇな。
なんて思いながらいけば、あっという間にイゾウの部屋の前。
『いぞう、はいってもいいですか？』
イ｢お嬢…？どうしたこんな夜更けに…ってサッチもいたのか｣
サ｢俺はおまけかよ｣
Aの声が終わったと同時にスパッと襖が開く。
予想もしていなかった人物で驚いた様子だった。
イ｢それで、どうしたんだ？｣
サ｢寂しいんだとさ｣
Aが言いやすいようにパスを投げ出せば、察しの良いイゾウは俺の言葉を深く聞かずに、｢ん？｣と言ってAの前に屈んだ。
『…いぞう…』
イ｢どーしたそんな目に涙を貯めて。泣かなくていい。言ってごらん｣
優しいイゾウの声が響き、フワリと体を抱きしめられる。
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羅鬼 - 載せていいですよ！ (2022年11月16日 19時) (
レス) @page26 id: 56358738e1 (このIDを非表示/違反報告)
羅鬼 - 良ければ！どうぞ！ https://picrew.me/image_maker/11529/complete?cd=dbvrUG1uF2 (2022年11月13日 16時) (レス) id: 56358738e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりたんぽ | 作成日時：2022年10月18日 22時
