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それから暫くして3人で遊んでいると、真一郎が時計を見て「やべっ」と呟いた。
「もうこんな時間か。イザナ、今日はありがとな。そろそろ帰るわ」
「…Aも?」
「おー、一緒に帰る」
イザナは目を伏せ、Aのワンピースの裾を掴みながら口を開いた。
「…俺、もっとAと一緒にいたい」
「Aもイザナくんともっと遊びたい!」
真一郎は珍しく素直なイザナに感心したが、時間も時間。膝を曲げ、イザナと目をかち合わせる。
「イザナ。絶対また会いにくるから。今度は外出許可貰うから3人で外行こうな」
「外…?」
「おー。バイク。乗せてやるよ」
ニッ、と笑った真一郎に釣られてイザナも嬉しそうに笑みを浮かべる。
「真一郎くんのバイク、すっごいカッコいいんだよ!イザナくん楽しみにしててね」
次いでAがイザナに微笑みかける。
「バイク…乗りたい。ぜってェまた来いよ、2人とも」
「勿論!…あっ、イザナくん待って」
不意にAが自分の鞄を漁り出した。
真一郎とイザナはなんだなんだと待ち構える。
「じゃーん!初めて会えた記念日にプレゼント持って来てたの!」
鞄から取り出されたのは3つのキーホルダー。
黒、紫、白の3色で染められた小さいテディベアがゆらゆら揺れている。
「黒は真一郎くんでしょ。イザナくんは…目の色とおんなじ、紫!Aは白色ね」
はい、とAに手渡されたキーホルダー。
真一郎はまさか自分の分まであると思わず、嬉しいサプライズにAの頭をよしよし撫でる。
「これ…俺に、?」
「うんっ、3人お揃い!」
「さんにん、おそろい」
イザナは一文字一文字噛み締めるかのように唱えると、キーホルダーを両手で優しく包み込み__
「わっ!」
Aを抱きしめた。
「A、ありがとう。俺すっげえ嬉しい」
「喜んでもらえてよかった。大事にしてね?」
「ウン。ずっと大事にする。だからAも大事にしろよ」
「うん!」
2人は目を合わせ、微笑みあった。
「じゃあ、帰るね。イザナくん」
「…また、来るんだろ。待ってるから」
「おー!約束だ、イザナ。Aも」
施設の門の前、3人で小指を絡めあい、指切りの唄を口ずさんだ。
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まる(プロフ) - さとにゃんさん» 嬉しいコメントありがとうございます♡灰谷兄弟もいずれ出てきますので楽しみにしててください…! (2021年9月22日 17時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
さとにゃん(プロフ) - とっても好きです!灰谷兄弟との絡みも見たいです…!!これからも頑張ってください! (2021年9月22日 11時) (レス) id: 805449d27a (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - mikittyさん» 私も好きです♡読んでくださってありがとうございます! (2021年9月21日 19時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 好きです!! (2021年9月21日 15時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ぽにゃるさん» 素敵な作品と言って頂けて非常に嬉しいです(^^)ありがとうございます!今後ともよろしくお願いします! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる | 作成日時:2021年9月18日 15時