どろり。【東京卍リベンジャーズ】

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「じゃーん！今日はおめかししてみました！どう？」

淡い紫色のワンピースに身を包み、真一郎の目の前でくるりと一回転するA。

頭には白いカチューシャがつけられている。


「おー、可愛いじゃん。今日楽しみにしてたもんなぁ？」

慣れた手つきで柔らかい髪を撫でる真一郎。

今日は初めてイザナに会いに行く日なのだ。


「忘れもんねェ？そろそろ行くぞ？」

「うんっ、プレゼントも持ったよ！」
「ん、行くか！」

2人は手を繋ぎ、歩みを進める。


「電車乗るけど、危ねぇから手ェ離すなよ」
「はーい」


真一郎が切符を購入し、2人は改札を通り越して電車へ乗り込む。

Aは窓から流れるように見える風景をぼんやりと眺めていた。

「どうした？緊張してんのか？」

いつもと違う雰囲気を感じ取った真一郎はAの顔を覗き込む。


「うん…！ちょっとドキドキ！」

そう言いながら目をキラキラと輝かせるAを見て、真一郎は笑いを堪えきれず吹き出した。

「ハハッ、そりゃまだ5歳だし緊張もするわな！でもまぁ何度も手紙のやり取りはしてるだろー？大丈夫だって」
「うー…」

少しだけ強ばったAの体を膝の上に乗せる。子供体温特有の温かさが真一郎を包み込んだ。

停車のアナウンスが車内に響き渡り、目的地についたことを知らせる。

「おっ、着いたな。行くぞー」
「うっ、うん！」

今度は抱きかかえたまま、真一郎は施設のある方向へと進み出した。

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