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「ん…いててて」
Aが漸く目を覚ます。
見慣れぬ景色にキョロキョロ目玉を動かし、此処が病院であることに気がついた。
「目ェ覚めた?」
「イザナくん!」
ベッド脇の椅子に座っていたイザナが声をかける。
「取り敢えず起きたならナースコール押さねェと」
そう言い、イザナは手に持っていたナースコールを深く押し込んだ。
_____
「イザナくん、毎日お見舞い来てくれてたの?ごめんね…」
「なんで謝ンの?A悪いことしてねーじゃん」
気にすんなよ、と微笑むイザナ。頭を撫でる手つきは酷く優しい。
「…でも、オマエほんっと学ばねェよな」
イザナの纏う雰囲気が、変わった。
Aは恐ろしさを感じる。イザナが自分のことをAと呼ばず、"お前"と呼ぶときは、何かやばいことが起こると自分でもわかっていた。
「俺のいねェところで危ない目に遭うの、好きなの?」
なァ。とAに詰め寄るイザナ。
瞳孔が開ききっており、濁った紫色の瞳にはAの怯えた顔が映る。
「何回言ってもわかんねェなら、身体で教えてやるよ」
そう言ってイザナは腕を伸ばした。
掴んだのは、Aの首。
「んっ…!?イ、イザナくん!」
「ちょっと黙れ。俺怒ってンだよ」
ぎゅう。イザナの片手は、細いAの首を包むのに充分すぎた。
片手でAの首をじわりじわりと締めるイザナ。
だんだんAも気道を塞がれ、苦しそうな表情へと変わっていく。
「ッくるし…」
「…これでわかった?」
ぱっと手を離したイザナ。Aは咳き込みながら酸素を急いで吸い込む。
「なァ、A」
「俺のいないところで怪我したらどうなるか」
「わかったよな?」
ニコリ。Aの目の前には満面の笑みのイザナしか映らなかった。
「じゃ、今日のところは俺帰るな」
「またな、A」
お大事に。と言い残して病室を出ていったイザナ。
Aは、暫く動けなかった。
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まる(プロフ) - さとにゃんさん» 嬉しいコメントありがとうございます♡灰谷兄弟もいずれ出てきますので楽しみにしててください…! (2021年9月22日 17時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
さとにゃん(プロフ) - とっても好きです!灰谷兄弟との絡みも見たいです…!!これからも頑張ってください! (2021年9月22日 11時) (レス) id: 805449d27a (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - mikittyさん» 私も好きです♡読んでくださってありがとうございます! (2021年9月21日 19時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 好きです!! (2021年9月21日 15時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ぽにゃるさん» 素敵な作品と言って頂けて非常に嬉しいです(^^)ありがとうございます!今後ともよろしくお願いします! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる | 作成日時:2021年9月18日 15時