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「A」
「イヌピー!元気だったー?」
真一郎のバイクショップでであった2人。
相変わらず乾はAの好きなジュースを手に持っていた。
「ほら、ジュース。今注いでやるから座ってろ」
「いつもごめんね…ありがとう」
「いや、俺が好きでやってることだから」
机に置かれたグラスが照明に当たってキラキラ光る。
「…なあ、A。東卍に入ったってほんとか?」
「あれ、知ってたの?情報早いなー」
「真一郎から聞いた」
真一郎くん、Aの情報ペラペラ喋りすぎ…と思ったAの肩を乾が強く掴む。
「っえ、どうしたの?」
「…んで」
「なんで東卍なんかに入ったんだよ、A」
乾の瞳はどす黒く濁っていた。
Aは乾の様子が可笑しいのに気がつく。
しかし今日は真一郎もイザナもいない。誰も助けに来れない状況である。
それを知っていて乾は今日、この店に、Aを、尋ねたのであった。
「Aは、俺と一緒に黒龍に入るって約束しただろ…」
「し、してないよイヌピー。何か記憶違いしてるよ」
「俺は間違ってない」
肩へ食い込む指の力が強まる。
勢いあまって乾が机へぶつかり、机の上のグラスが倒れる。中に入っていたジュースが机を、床を濡らして、ジュースの色が床を侵食していった。
それに比例するように乾の瞳も真っ黒い何かに侵食されていく。
「お前は、俺と一緒にいなきゃいけない筈だろ?」
「なあ、俺が、間違ってるか?」
「っ、イヌピー!痛い!!」
Aの痛がる声を聞き、乾はハッとしたように手を離す。
よく見てみるとAは涙目だった。
「ッ悪い…!見せろ。兎に角冷やさねェと…」
「イヌピー、怖い。いきなりなんで怒ったの?ねぇ、Aが悪いことしちゃった?」
ぐすぐすと、涙を耐えながらそう尋ねるAを見て乾に罪悪感がどっと押し寄せる。
できる限りの応急処置をした後、乾は無言で立ち上がる。
「A。痛ぇし怖かったよな、悪い。ごめんな」
「…暫く頭冷やしてくる」
そう言って乾は出ていった。
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まる(プロフ) - さとにゃんさん» 嬉しいコメントありがとうございます♡灰谷兄弟もいずれ出てきますので楽しみにしててください…! (2021年9月22日 17時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
さとにゃん(プロフ) - とっても好きです!灰谷兄弟との絡みも見たいです…!!これからも頑張ってください! (2021年9月22日 11時) (レス) id: 805449d27a (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - mikittyさん» 私も好きです♡読んでくださってありがとうございます! (2021年9月21日 19時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 好きです!! (2021年9月21日 15時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ぽにゃるさん» 素敵な作品と言って頂けて非常に嬉しいです(^^)ありがとうございます!今後ともよろしくお願いします! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる | 作成日時:2021年9月18日 15時