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「あ、A」
「イヌピーだ。やっほー」
偶々すれ違ったAと乾。乾の隣には男が1人。
「…誰だ?イヌピー」
「ン、Aだ」
「嗚呼、いつもイヌピーが話してた奴ね」
切長の目がAを品定めするように見つめる。
「いつもイヌピーが世話になってるらしーじゃん。黒宮Aサン?」
「な、なんで名前?」
「あれだけ毎日イヌピーがA、Aってウルセェんだぜ?そりゃあいい加減覚えるだろ」
ぺろり、と出された舌。Aは目の前の男から聞いた話に思わず赤面する。
「イヌピー変なこと言ってませんでしたか?うう、恥ずかしいんだけど…」
「オー、悪いことは言ってなかったから安心してくれ」
俺は九井一、ココでいいぜ。なんて言われて、2人は他愛のない話を続ける。
それを隣から見つめる男が1人。
「…A、俺とも話そう」
「うん、もちろん!」
乾である。
ムッとしながらAの腕へと絡みつく。
それを九井は珍しいものをみたような目で乾を見つめていた。
(ヘェ、イヌピーの嫉妬とかレアじゃん)
九井は楽しそうに小さく舌なめずりをした。
「イヌピー、男の嫉妬は見苦しいぜ?」
「ッココ!」
Aの前で珍しく声を荒げた乾にAはびくりと肩を震わせた。
「あ、悪ィ…ビビらせちまった」
「ううん、大丈夫だよ」
乾に向けられた笑顔に九井はもやもやとした感情を抱いた。
何故?なんで出会ったばかりの女にこんな感情を、と思った九井だが、想像以上のツラの良さ、それに加えてこの性格なら仕方ないな、と納得する。
「はー、久しぶりにこんな話したわ。ありがとなA」
「ううん、此方こそ楽しかった!ありがとう」
「また会おうな、A」
「うん、約束ね!」
乾と九井はしっかりAの家まで送り届け、去って行った。
帰り際に2人はAの好きなジュースとお菓子を買い与え、満足気だった。
「それにしてもイヌピーの友達も色々くれる人なんだな…」
乾はよくジュースを奢ってくれるけど、ココくんまでそう言うタイプとは。と呟くA。
まさかイヌピーの悪影響!?と。
しかし逆である。金を生み出す天才故の貢ぎ癖がある九井。その影響を受け好きなAにジュースやら何やらを貢ぐようになったのが乾である。
そんな事はつゆ知らず、今度はお返ししなきゃ!と意気込むAであった。
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まる(プロフ) - さとにゃんさん» 嬉しいコメントありがとうございます♡灰谷兄弟もいずれ出てきますので楽しみにしててください…! (2021年9月22日 17時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
さとにゃん(プロフ) - とっても好きです!灰谷兄弟との絡みも見たいです…!!これからも頑張ってください! (2021年9月22日 11時) (レス) id: 805449d27a (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - mikittyさん» 私も好きです♡読んでくださってありがとうございます! (2021年9月21日 19時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 好きです!! (2021年9月21日 15時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ぽにゃるさん» 素敵な作品と言って頂けて非常に嬉しいです(^^)ありがとうございます!今後ともよろしくお願いします! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる | 作成日時:2021年9月18日 15時