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連れてこられたのは煙草の煙で澱んだ駐車場。
複数人が屯している中、 龍宮寺は遠慮せずに声をかける。
「チーッス」
「おー」
真ん中に座って煙草を蒸していた男がゆらりと立ち上がる。
「呼んで来ましたよ。此奴が七小のマイキー…」
コン、コンと何かが 龍宮寺の声を遮ったかと思えば、マイキーが突然走り出した。
「っえ?」
「あー、まただ」
驚く 龍宮寺の横でAは面倒臭そうに溜息を吐いた。
一直線に走り、マイキーが宙を跳んだ。
まるでマイキーの周りに重力がないのかと錯覚してしまうほど対空時間が長いように感じる。
そして、マイキーは蹴りを顔面に1発、喰らわせた。
あまりの出来事に一同は目を疑うことしかできず、ぽかんと口を開けて棒立ちだ。
「群れでしか行動できない奴等が、何の様?」
"マイキー"という異質な存在に辺りが静まる。
蹴りをまともに喰らった男は鼻から血を垂れ流し、地面に蹲っている。
「俺が七小のマイキー様だ!」
そう高らかに宣言するマイキーを、 龍宮寺は興奮した様子で見つめていた。
「お前、四小のドラケンだろ?」
「お前みたいなかっけぇ奴がさー、何であんなカスとつるんでんの?」
そう尋ねるマイキー、 龍宮寺は何もいえず俯くと、マイキーは微笑んだ。
「俺の友達になれ、ケンチン!」
マイキーは 龍宮寺に手を差し伸べる。 龍宮寺が握手に応えようとすると__
「マイキーばっか狡い!ね、Aとも友達になろ?ケンくん!」
龍宮寺の手を握ったのはAだった。
これまで見たことない程の美少女が手を握っている状況、流石のドラケンでも耳まで赤く染まってしまった。
そんな 龍宮寺の様子を見てマイキーは慌てて2人を引き剥がす。
「あー!!ケンチン離せよ!」
「え、俺のせい?」
「Aって呼んでね、ケンくんっ。ねえマイキーうるさい!」
「いつまでくっついてんだよ!A!ケンチン!」
「マイキーうるさいから2人で逃げよ、ケンくん」
「…おー、逃げるぞ!」
今度はドラケンがAの手を取り、2人でマイキーから逃げようと走り出した。
黒宮A、佐野万次郎、 龍宮寺堅、共に11歳の出来事である。
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まる(プロフ) - さとにゃんさん» 嬉しいコメントありがとうございます♡灰谷兄弟もいずれ出てきますので楽しみにしててください…! (2021年9月22日 17時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
さとにゃん(プロフ) - とっても好きです!灰谷兄弟との絡みも見たいです…!!これからも頑張ってください! (2021年9月22日 11時) (レス) id: 805449d27a (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - mikittyさん» 私も好きです♡読んでくださってありがとうございます! (2021年9月21日 19時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 好きです!! (2021年9月21日 15時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ぽにゃるさん» 素敵な作品と言って頂けて非常に嬉しいです(^^)ありがとうございます!今後ともよろしくお願いします! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる | 作成日時:2021年9月18日 15時