15 ページ15
.
「あっ、マイキーくん!と、Aちゃん!」
「…ん?なに?」
「マイキー、お菓子食べたまま喋らないの」
同じ学校の子と、見知らぬ男児。
知らない男児のこめかみには龍のようなタトゥーが入っていて、Aは小さく「痛そー」と呟く。
相手が誰であるか気にする様子もなくズンズンマイキーは見知らぬ男児へと近づいて行き、隣のAに聞こえない様耳元でそっと尋ねる。
「なあ、四十八手って何個か被ってるよな」
「…え?」
「どー考えても40行かないんだよ、どう思う?」
「ど、どうって…」
突然の質問に彼は目を見開き、放心状態だったが何かを思い出した様に口を開いた。
「あ、あのー…マイキーくん、だよね?」
「うん、そーだよ。なに?」
「中学の先輩が君のこと呼んでこいって…」
「は?」
「いや、いーよ」
「でもその前に」
「…?」
「Aのことは何も言ってなかっただろーな?」
マイキーの真っ黒い目が鋭く向けられる。
「え、誰だ…?A…?いや、言ってなかったけど」
その返事にマイキーはニコリと笑い、
「ならよかった。お前の頼みだから聞いてやる」
「荷物ガッコーに置いてくる」
「え、マイキーの事待ってたんでしょ?これ以上待たせるの迷惑だよ」
「えー、どうしたらいーんだよ」
「Aが持っててあげるから!」
「Aに荷物は持たせらんねー、行ってくる!」
自慢の脚で今来た道を走って戻るマイキー。
取り残された2人は気まずそうな雰囲気を纏っている。
「えー、と。ごめんねマイキーが」
「いや、こっちが無理矢理呼び出してっから…」
沈黙。
「あ、黒宮Aです。11歳」
「 龍宮寺堅、11歳」
「えっ!同い年?」
見えない!と 龍宮寺の周りをぐるぐる回るA。
「背高いね!あと頭に入ってるの本物のタトゥー?」
「オー、ホンモノだよ」
「すご、カッコいいね…!」
キラキラと視線を向けられ、 龍宮寺は恥ずかしくなり目を逸らした。
「お待たせ」
「あ、帰ってきた」
ランドセルを外し、キャンディを舐めながらAの後ろに立つマイキー。 既にAと手を繋いでいる。
「ねー自分で歩いてよー」
「Aも行くの?アブネーよ?」
「マイキーが守ってくれるって言ったんじゃん!」
龍宮寺の後ろでAに手を引っ張られながら歩くマイキー。
龍宮寺は「此奴、すぐボコられんだろうな」と思いながら歩みを進めていく。
2983人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まる(プロフ) - さとにゃんさん» 嬉しいコメントありがとうございます♡灰谷兄弟もいずれ出てきますので楽しみにしててください…! (2021年9月22日 17時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
さとにゃん(プロフ) - とっても好きです!灰谷兄弟との絡みも見たいです…!!これからも頑張ってください! (2021年9月22日 11時) (レス) id: 805449d27a (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - mikittyさん» 私も好きです♡読んでくださってありがとうございます! (2021年9月21日 19時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
mikitty(プロフ) - 好きです!! (2021年9月21日 15時) (レス) id: 75972ecbb8 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - ぽにゃるさん» 素敵な作品と言って頂けて非常に嬉しいです(^^)ありがとうございます!今後ともよろしくお願いします! (2021年9月20日 23時) (レス) id: 7672e7a131 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まる | 作成日時:2021年9月18日 15時