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見つめ合うAと大寿。その雰囲気はまさに一触即発。誰も声を出さないまま時が過ぎて行く。そんな中1番最初に声をあげたのは八戒であった。
花垣の前から退く気のないAを見て、八戒はAが本当に兄に殴られるのではないかと危惧し、冷や汗を垂らしながら口を開く。


「兄貴!やめてくれ、お願いだ!!」

その声を聞いた大寿は口角を上げ、目線を八戒へと移した。


「八戒、人にモノを頼むときは交換条件が必要だろ!?ちゃんと見合うモノ差しだせよ」

「じゃなきゃ、コイツはここでくたばる」

ぐい、と大寿はAの腕を掴み上げてそう言う。Aは真顔のまま大寿を睨みつけていた。八戒はその様子を見て更に焦り始める。


「大寿くんの言うこと聞かなくていいよ八戒くん、何も言わないで」
「東卍を…やめるよ。兄貴を支える為に黒龍に入る」
「八戒くん!!」
「だからAちゃんを離せ、交換条件だ!!」


「…言ったな」


大寿は満足げに笑い、掴んでいたAの腕を離した。その隙に橘が慌ててAを引き寄せる。

「Aさん、無茶しちゃダメですよ…!!」
「うん、でもヒナちゃんこそ危ないよ〜」


大寿は八戒の発言を聞いて気分を良くしたのか、黒龍のメンバー達を引き連れて帰って行った。それを見た八戒はボロボロになった花垣を背中に背負い、先程までと反対の道へと足を歩めた。

「…帰ろう、Aちゃん」
「………うん」


暗い顔のAを九井と乾は心配そうに見つめたが、大寿のいる手前声を掛けることもできず、2人も踵を返し大寿に続いた。

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飛鳥 - 続き楽しみに待ってます! (3月14日 7時) (レス) @page36 id: 2cfd6d6f99 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - めっちゃ好きです!!!続き待ってます!気が向いたら更新してください!応援してます! (12月29日 17時) (レス) @page36 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
シア(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (10月28日 20時) (レス) @page35 id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのみき - 東リベの夢小説史上面白い小説でした!更新頑張ってください! (10月13日 22時) (レス) @page34 id: d976c5d16a (このIDを非表示/違反報告)
名無し68593号(プロフ) - 更新ありがとうございます‼️最高です (10月6日 23時) (レス) id: 38145731e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まる | 作成日時:2021年10月16日 21時

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