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「兄貴はどこだ?」
八戒が九井にそう尋ねると、コンビニと返事がくる。

「ロクに帰ってきもしねーくせにこんな時だけ…」
「…オイ」

溜息混じりに八戒がそう呟くと、乾がゆらりと出てきて八戒の首筋にぴたりとナイフの刃先を突きつける。

「調子乗ってんじゃねぇぞテメェ。大寿舐めてんなら俺が殺す」
「え、イヌピー?」


そんな乾の腕をAが掴んで止める。乾は先程までの殺意に満ちた瞳ではなく、甘さを含んだ瞳でAを見つめた。

「A、危ねぇから下がってろ」
「いや、危ないのはイヌピーでしょ?ナイフしまって」
「…ココ」
「はいはい」

何度言っても引き下がらないAを見て乾は九井に声を掛ける。九井はAの腰を抱いてぐい、と引き寄せた。


「ココくん?」
「すぐ終わらせてやるから待ってろ、な?」
「いや終わらせるも何も………」

Aが安全圏に移動したのを確認した乾は再び八戒にナイフを突きつけ、鋭く睨む。

「穏やかじゃねぇなあ」
「殺れねェと思ってんの?」
「… 弟に手ェ出すんじゃねえよ!」


まさに一触即発の雰囲気。そんな中、柚葉が乾に回し蹴りを喰らわせた。ガツン、と鈍い音が鳴り乾は足元をぐらつかせるが、すぐに立ち上がって柚葉を睨みつけた。

「どっちが上か教えてやる。女だとかは関係ねえ…テメェら全員殺してやる」
「…イヌピー何かいつもと違う」
「いつもあんな感じだぜ?Aの前で猫被ってただけだろ」
「ココ、言うな」


九井に抱かれたままAがぽつりとそう零すと、九井が意地悪い笑みを浮かべ乾の秘密をバラす。少し恥ずかしそうな顔をした乾がAを見つめた。

「…嫌いになったか?」
「うーん…女の子に手出すのは嫌いかなぁ」
「………きらい?」
「…好きじゃない、かな?」
「わかった、今日は女には手を出さない」


捨てられた仔犬のような顔で乾はAに尋ねる。因みに乾はAに対するこの態度は無意識だ。

柚葉は乾が反撃してこないのを不思議に思ったが、今のうちに花垣達を逃がそうと声をあげる。

「花垣!何だかよくわかんないことになってるけど…ここはあたしたちに任せて逃げな!ヒナちゃんとその女の子守れよ!」
「ウス!ヒナ、Aちゃん行こう!」
「うん!」
「はーい、ってココくん離して…?」
「んー?ヤダ」


しかし九井がAを逃す筈もなく。Aは花垣に早く行け、と手を振ったその時__花垣の背後から、1人の男が走ってくるのが見えた。

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飛鳥 - 続き楽しみに待ってます! (3月14日 7時) (レス) @page36 id: 2cfd6d6f99 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - めっちゃ好きです!!!続き待ってます!気が向いたら更新してください!応援してます! (12月29日 17時) (レス) @page36 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
シア(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (10月28日 20時) (レス) @page35 id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのみき - 東リベの夢小説史上面白い小説でした!更新頑張ってください! (10月13日 22時) (レス) @page34 id: d976c5d16a (このIDを非表示/違反報告)
名無し68593号(プロフ) - 更新ありがとうございます‼️最高です (10月6日 23時) (レス) id: 38145731e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まる | 作成日時:2021年10月16日 21時

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