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「そっかあ」
Aは三ツ谷から全ての事情を聞いた後、そう小さく呟く。
5人の間に流れている、いつになく重苦しい雰囲気を破ったのは八戒だった。
「俺のせいだ、全部…本当にごめん」
「っAちゃん、ごめん!!」
「すみません、Aさん…」
八戒が頭を深く下げてそう言えば、それに続いて花垣も声を張り上げるようにして謝り、松野も悔し気に謝罪をする。
「ううん、謝んないで。誰も悪くないもん」
「…ごめんな、A」
「もう、タカちゃんまで」
しかしそうは言うものの、Aの表情は依然暗いままであった。
「だって、柚葉ちゃんを守るためなんだもん。Aがその場にいてもきっと同じようにその協定を結んでたと思う。だから謝らないで」
「…ありがとう。みんな」
「八戒」
八戒の弱弱しい声を遮るかのようにして三ツ谷が話し出す。
「どんなに苦しくても、力は守るために使えよ」
「生まれた環境を憎むな、八戒」
弱った八戒の心を優しく包むような、そんな三ツ谷の言葉を聞き、八戒は目を潤ませながらも深く頷いた。
そんな弐番隊のやり取りを3人は黙って見つめていた。
そのうちの1人、花垣の瞳は何だか力強く、覚悟を決めたような目であった。
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飛鳥 - 続き楽しみに待ってます! (3月14日 7時) (レス) @page36 id: 2cfd6d6f99 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - めっちゃ好きです!!!続き待ってます!気が向いたら更新してください!応援してます! (12月29日 17時) (レス) @page36 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
シア(プロフ) - 続き楽しみにしてます!! (10月28日 20時) (レス) @page35 id: 38b8a932a2 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのみき - 東リベの夢小説史上面白い小説でした!更新頑張ってください! (10月13日 22時) (レス) @page34 id: d976c5d16a (このIDを非表示/違反報告)
名無し68593号(プロフ) - 更新ありがとうございます‼️最高です (10月6日 23時) (レス) id: 38145731e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まる | 作成日時:2021年10月16日 21時