急に耳が聞こえなくなったと思ったら超人気グループのイケメンから言い寄られてるんですが 【R.Meguro】

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通じているのかも分からない手話。
















最近手話を使う役をドラマでしたから、話せているつもりだが、少し心配だ。
















そういう感情を抱きながらも、俺の心臓は鼓動を早めていた。

















『……………………え？』



















彼女は酷く驚いていた。















まあ無理はないだろう。いきなりぶつかった男が手話で話しかけてくるのだから。



















でも、俺は何故かこの人を手放しちゃいけないような、そんな気がした。


















どうしてもこの人と話してみたい。



















自分がアイドルだと言うことすら忘れ、気がつけば洒落たカフェで話をしていた。



















彼女はSNSを全て遮断しているらしく、政治や芸能人に詳しくないようだった。















少なくとも、彼女は俺の存在を知らない。



















俺を1人の男として見てくれる気がする、そう思った。



















彼女は、見た通り難聴の女性だった。



















俺は初めて難聴の女性と喋った。


















落ち着いた表情。

















たまに漏れる笑い声。
















知り合ったばかりなのに、全てが愛おしく思えてしまう。



















帰りに彼女は買い物に寄るらしく、気がつけば俺もついていっていた。















実際、最寄り駅が同じという偶然からのものだったのだが。


















買い物をしている彼女を見ると、助けたくなってしまう。

「(なんか、新婚みたいですね)」



















気が付けば出ていたそんな言葉。

















一瞬やってしまった、と思ったが、彼女の頬は赤く染まっていた。















そしてその直後、


















『(蓮さんって、恋人とかいるんですか)』



















彼女から放たれたそんな言葉。



















ああ、神様。



















ほんとうに



















ほんとうに、俺は恋をしているようです。

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