急に耳が聞こえなくなったと思ったら超人気グループのイケメンから言い寄られてるんですが 【R.Meguro】

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本の世界にのめり込んでいると、私が電車を降りる時間がやってきた。













読んでいた本を鞄の中にしまうと、現実世界に戻ってしまった孤独感に襲われる。













電車が止まり、電車から降りて、改札へ向かう。














行きたいお店は北改札口なので、少し歩いてそこまで向かう。


















耳が聞こえなくなってからは、人の事をよく見るようになった気がする。











その人の表情や視線、服装など、色々な場所をみてその人の事を分析する。











ただ、それをしているばかりに、自分のしなければならない事を怠ってしまう事もあって。

『…っ！……すみません』













周りの人を見すぎて自分の目の前を見る事を忘れてしまった。挙句、前に居た人とすれ違いざまにぶつかってしまった。

















その衝動で読んでいた本を落としてしまい、急いで拾いあげようとしたところ、

















その人と手が重なった。















それはまるで少女漫画のような出会いだった。













「＿＿＿＿？」










その人を見ると、とても顔の整った男性だった。













彼は私の本を持って何か話している。



















だが、何を言っているか分からず、その場に立ち尽くしてしまう。

















ただずっと彼の顔を見つめて。

















『(私、こういうところがダメなんだろうな)』













すぐに反応できない癖を改めて恨む。


















すると

















「(俺もこの本好きなんです)」

















『…………え？』















間抜けな声が出てしまうほど驚いた。

















彼は手話を使って、私に話しかけてきた。

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