烏の主将に妬きもちの文字は無い。その3 [澤村大地]

そのひゃくご。 ページ22

日曜デート、一日前。




昨日決めた服と、みんなで買ったプレゼント。




それから。









「んじゃ、悪いな。」


『あ、うん。』


「先、食べといてくれ。」


「分かったー。」



『…また出て行かれましたよ、彼。』


「…だなー。」


「こんにちは。」


「こんにちは！」


「お、来たな。」








大地くんが出て行くと後ろから来た後輩二人。





また居ましたよ、あの子。





なんて聞きたく無いような情報言いながら。








「んで？決まったんですか、服。」


「決まったべ。」


『菅くんが考えてくれたんだよ！』


「あ、うん。…早く決まった方が良いと思って。」


「菅原さんのセンスですか？きっと可愛いんだろうなぁ、ね、ツッキー！」


「何でもいい。菅原さんだって早く帰りたかったんだろうし。」


「ちょ、月島、黙れ！」


『え、そうだったのか。』


「違うって！」









ぶんぶん首を振りながら。





菅くんは否定するので。





…聞かなかったこととしよう。









「あ、そうだ。」


「何、山口。」


「あの子の事、調べt…」


「佐々木ー！」


『はーい。』


「先生、呼んでる！進路相談って。」


『あ、うん！ごめん、行くね！』


「あ…はい。」









山口くんが言いかけてた台詞を聞かないままに。





妬かせ隊を置いて廊下に出る。





…おぅい、そこに居るじゃん、大地くん！









「あの、この前に買った奴なんですけど。」


「おー、サンキュな。…良いんじゃないか、これ。」


「ほんとですか！？」


「あぁ。探しにいくって言ってたんだがなかなか時間無くてな。」


「先輩、忙しいですもんね！」


「そんなこと無いと思うがな…。今日は？どうするんだ？」


「放課後、空いてますよ！」


「じゃあ、放課後な！」









曲がりきった廊下にもう大地くんの声は聞こえないけど。





…あれ、何かこれ。





何か、おかしいな。








『…あやしすぎんですけど。』









…大地くん、大丈夫だよね？





何か、そのあれだよね。





不安になるんですが、大丈夫だよね？






…いや、やっぱ怪しいです。









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「Aさんに聞いて欲しかったんだけどな…。」


「だな。」


「そーゆー運命なんですよ、あの人は。」


「…佐々木、いっつもタイミング悪いんだよな。」




妬かせ隊、裏での会話。

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