そのひゃくに。 ページ19
帰ろうか。
そう言って伸ばされた手を掴めば。
大きい背中が少し前を歩く。
『大地くん。』
「ん？どうした？」
『荷物ぐらい、持てますけど。』
「ん？あぁ、良いって。帰るぞ。」
『いや、持てるよ、指だから！怪我したの。』
「はいはい、知ってるよ。あ、肉まん奢るぞー。」
「「あざぁーす！！」」
ニコニコ笑う彼の肩には二つの鞄。
手を引かれる私は手ぶら状態で。
…いや、申し訳ないよ！
『大丈夫だってば。』
「Aのことだから鞄持ったときに指挟んで悪化も考えられるだろ。」
『いや、それどんだけ鈍臭い奴なの？』
「な、菅。」
「え！？あぁ、うん！」
『酷い、本当にそう思ってるの！？』
「え、いや…。」
「な。」
「うん。」
『イエスマンか、あんたは。』
菅くんはごめんって笑うと。
私の耳元で。
大地、心配してたんだから、なんて嬉しいこと呟く。
『ほんと？』
「うん、な、大地。」
「何がだ？」
「Aが怪我して保健室行ってからお前心配しす…っ！」
「…黙っててくれないか、菅。」
『ちょ、大地くん！孝支が死んじゃう！息できないから！』
菅くんの首根っこ捕まえた大地くんは。
それは言うなよ、とか、やめろとか。
赤い顔して言うんだもん。
可愛いし、嬉しい。
「キャプテン心配してたんですよ、な、影山。」
「あ？…あぁ、はい。」
「変人コンビは黙ってなさい！」
「キャプテンに変人言われた！」
「でも大地さん、トスミス半端じゃなかったっすよー？」
「お前らな！」
『そうなの？…うれしー。』
「Aも赤くなるな、恥ずかしい！」
「恥ずかしいんだ、大地。」
そう言った東峰くんの頭をがくがく揺らしながら。
黙れ、って怒る大地くんを見ながら。
妬いてんだべ、きっと。
菅くんがそう言って笑うから。
「…あとは日曜日だな。」
『ですな。』
「Aさんに掛かってるんで。色々。」
『プレッシャーやめよう、お腹壊す。』
「Aさんも日向タイプですか…。」
嬉しいな。
もし、妬いてくれて優しくしてくれんなら。
怪我の功名。
でも、それならそうと。
口に出しましょう、澤村くん。
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zgdj - 面白い作品をありがとうございます！ (3月2日 11時) (
レス) @page46 id: 9d014a95bc (このIDを非表示/違反報告)
みーこ - できればうらつくに残ってほしいけど、saiさんが決めたのであれば口出しはしないようにします。でも、他のツールで繋がりたいのでTwitterとかって教えてもらえませんか、、、？ (2023年1月20日 23時) (レス) @page46 id: 3df5dd07dc (このIDを非表示/違反報告)
みーこ - 今日初めて作品に出会いました！神作品だと思いました。ハイキューの二次創作の作品を見つけて、いい！好き！って思ってその人の作った日を見ると、2015とかで止まっていて、すごい悲しくなっちゃうんですけど、今日まで生きてくれてありがとうございます！ (2023年1月20日 23時) (レス) @page46 id: 3df5dd07dc (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - ちゃむPOPさん» こちらこそ作品を愛してくださってありがとうございます。 (2023年1月11日 11時) (レス) id: 4a22273a47 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃむPOP(プロフ) - 何年も帰ってきては読んでます。残してくれてありがとうございます。 (2022年10月18日 20時) (レス) id: 75c22fdb63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まるぼー | 作成日時：2015年10月16日 23時
